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はじまりは
この世界は実に面白味が欠けている。
漫画や小説は大概、ありえないことがおきるものだ。
この世界ではそんなことは起こらないのだろうか。
まぁ、そんな子供っぽいことを考えていても何もないけれど。
それでもこんな平凡な日々より良いかもなー……
なんて。
いや、僕は今のままで十分良い。
目立ちすぎず、丁度良い立ち位置にいるんだ。
逆にこの立ち位置を壊されたくはない。
「あーあ……」
時計を見る。
もう8時に近い。
ため息をついてから、その場を立ち上がった。