6月 報復
―― side: 春風ミユウ
7限の現代社会の授業、それから掃除と終礼が終わってようやく迎えた放課後を、わたしはため息をつきつき部活動に当てていた。それぞれ素敵な役員会のイケメンたちを近くで眺めていられるのは幸せではあったけど、課せられた事務仕事も楽ではなく、イケメンたちとの関係もほとんど進展していなかったために、時間を浪費しているような気分になっていた。
メールチェックをして物品補充のための購入伝票を書きあげると、すぐにしなければいけないようなこともなくなった。同時になけなしのやる気もなくなった。
(帰ろ)
ジムに行ってこの美しいボディシェイプを保つための運動でもしようと思いつき、荷物をまとめながらPCの電源を落としたときだった。2年の先輩部員がはっとしたような声をあげた。
「あ、いけない。会長って今日来ないんだっけ? うわー、どうしよう。企画書の提出、今日までだったんだけど」
自分とは関係なさそうだったので奪われていた視線を戻した。ほかの先輩方はその大きな独り言に馬鹿丁寧にも反応してあげていた。
「あいさつ運動のやつ? ご愁傷様」
「諦めるのは早いだろ。3年は今月から補修がある。時間的に――」
時計を見る間。
「――終わったばっかりだから、まだ帰ってないかも」
「今から走ればまだ間に合うよ! 昇降口のところ、会長の親衛隊が見送りで並んでるもん。まだ帰ってないんだよ」
さーて帰ろう、とバッグを肩にかけたところで、視線を感じた。わたしの美しさは今に始まったことではないので、わたしは人に見られることに慣れていた。そしてそれを無視することにも。
「ではわたしはこれで失礼しま――」
「春風さん」
提出物があると言う先輩はすがるような声でわたしを呼びとめた。
「お願い。帰るついでに会長に渡してきてくれない?」
(わたしが? オレ様王子様に?)
差し出された企画書を見た。そして会長の颯爽としていてかっこいい顔と姿を思い浮かべた。
「いいですよ」
今わたしにやるべきことがあるとしたら、それはオレ様王子様に企画書を届けに行くことだけだと強く確信していた。
正門へと続く道はグラウンドの外周に沿うように整備され、もう一方の側は心地よい芝生が敷き詰められた前庭になっていた。放課後だからたくさんの運動部員がグラウンドに出ていたし、芝生の上で憩う生徒たちがいた。わたしは緑生い茂る桜並木の下のその道を、オレ様王子様を追いかけて小走りで駆け抜けた。肩にかけたバッグが跳ねまわり、スカートがちょっときわどくめくれたりもしたけど、全体的に見てわたしは妖精そのものだったと思う。背中に透明な翅がついていないのが不思議で仕方がない。
(いた!)
正門の近くにオレ様王子様の姿を見た。頭部が炎上しているかのような赤い髪を見れば遠目にも彼だと一目瞭然だけど、近寄ればその完成度の高い顔の造形やスタイルの良さでその存在を周囲に知らせてしまう。オレ様王子様はひとりで歩いていた。周りに人はたくさんいて、その誰もが彼を見ているのに、誰も彼に話しかけようとはしなかった。
オレ様王子様は明らかに、わたしと同様に人の視線を集めることに慣れていた。とはいってもわたしや副会長の漁色美形とは違う。10年以上ものあいだ意を決して人前に出ていくたびに、いつも注目を浴び、しつこく付きまとわれ、話しかけられ、そしてそれらにうまく対処できなかった人間の距離感だった。
(ははん、なるほどね。孤高の王子様が唯一心を許すのがヒロインたるわたし、ということになるんだ)
「赤葉先輩!」
わたしは名前を呼び、片手を高く上げてオレ様王子様を呼びとめようとした。わたしという園生学園の妖精が会長の名を可愛らしく呼んだものだから、オレ様王子様だけでなくその他大勢まで足を止めてわたしを見た。
「見つけたぞ! てめえ、このくそアマ!」
誰かの粗野な大声が聞こえて、わたしの上機嫌は幾分損なわれた。
(この学園にも野蛮なやつっているんだ)
無視して足を速め、イケメンのもとに駆けつけた。わたしが微笑んで見上げると、オレ様王子様は戸惑ったように見返した。
「なにシカトぶっこいてんだ! 春風ミユウ、てめえだよ!」
「え、わたし?」
粗野な声にいきなり名前を呼ばれ、びっくりして声のほうを見た。
「……誰?」
まったく覚えのない男たちがいた。ふたり組みで、チャラ男崩れといった感じの外見。制服を着てないし、ちょっと老けているから学園の生徒ではないだろう。顔には醜い傷があった。彼らから魅力らしいものを見つけようと思ったら相当苦心しなければいけないし、それでも多少お金を持っていそうということ以外にはなかった。それもどうせ親の金だ。こいつらと付き合うほどわたしは人生に悲観していない。それにわたしは妖精であってくそアマではないから、彼らはわたしを誰かと勘違いしているのだろうと思った。
「誰だと!? この顔の傷見ても思い出さねえのか!?」
男たちは顔を真っ赤にして怒鳴り、わたしのもとへすばやく大股に近寄ってきた。
思い出さないのか、と言われてもさっぱり記憶になかった。やはり人違いされているようだった。彼らの期待に沿えそうにないことはわかったが、怒っているようなので火に油を注ぐようなことを言うのは控えた。
彼らのこぶしは強く握られ、わたしを今にも殴りそうに引かれていた。しかしわたしはちっとも怖くなかった。だって本当に殴られるはずがない。この乙女ゲームの脚本に少し過激なところがあるのは投石事件でよく知っている。ストーリー上の演出なのだ。それにここにはわたしを助けてくれるオレ様王子様がいた。
「赤葉先輩! 助けて!」
「このくそ女の男かよ? てめえも死ね!」
「は?」
あっという間のことだった。オレ様王子様は振り抜かれたこぶしをまともに顔に受けた。とても痛そうな音がして地面に倒れこみ、何やら興奮している男たちに蹴りの追撃をくらっていた。
「え、弱……」
びっくりしてわたしは思わず呟いた。チンピラ相手に華麗に立ち回り、見事相手を叩きのめしてわたしを守る場面だと思ったのに。お礼に頬にキスをするつもりまであった。これぞ王道ストーリー。しかしそうはならなかった。弱いにもかかわらずヒロインのわたしを、体を張って助けるという場面だったらしい。
(脚本がちょっとひねってあるんだ)
周りから帰宅途中の生徒たちの悲鳴が聞こえた。
オレ様王子様を殴った男たちは、わたしを殴る前に正門から飛んできた警備員たちに身柄を取り押さえられた。彼らは発情期の豚を思わせる叫び声を上げ、口汚くわたしをののしり続けていた。まったく身に覚えのない非難でわたしが困惑しているうちにどこかへ連れて行かれた。
オレ様王子様は助け起こそうとする警備員や生徒たちの手を振り払って自力で身を起こした。秀麗な顔に砂がつき、くちびるの端が切れて血が出ていた。いつも模範のように完璧に着られている制服も汚れ、乱れていた。彼は身を整えようとしていたけどできていなかった。血をポケットから出したハンカチで押さえて止めているあいだも彼は無言だった。明らかに激怒していた。
オレ様王子様は見られるだけで切れそうなほど鋭い視線を警備員たちに向けた。不穏なまでに静かな声だった。
「……なあ、教えてくれないか? 警備員が誰かれ構わず学園の敷地の中に入れるんだったら、お前らは何の役に立つんだ?」
警備員はしどろもどろに弁明しようとした。
「その……彼らがガールフレンドを待っているだけだと言うので……。申し訳ございません……」
「いつから女子生徒を待っていたら部外者でも校内に入れていい決まりができたんだ?」
「いえ、そういう決まりは……」
「だったらなんで入れたんだ?」
「……。……申し訳ございません」
「管理会社に苦情を入れる。言い訳があるんだったら上司の前で並べてろ」
それから怒りでぎらつく目を周りの生徒たちに向け、ある一点で留めた。
「風紀は? 何してたんだ? 部外者が勝手に入って来られる状態に気づいていたのか?」
問われた生徒は狼狽して泣きそうに顔を歪めた。
「ええと、はい……」
「問題だとは思わなかったのか?」
「それは……すみません」
オレ様王子様は許さなかった。
「原則から外れていることに気づいてはいたんだろ。でも看過したんだろ。違うか?」
「いえ、そうです……」
「事故報告書を出せ。それから問題解決シートもな。明後日までだ」
「はい」
風紀委員らしき女子生徒は涙ぐみながらうなずいた。しかしそれでオレ様王子様が攻撃を終わりにしたわけではなかった。
「それから、正門の前の路上駐車はなんで見逃してんだ? 生徒の送迎車は南門の駐車場に止めることになっていただろ。学園の生徒の交際相手の車だったら構わないという、生徒会長のオレさえ知らないルールでもできたのか?」
「……ええと……」
「さっさと話をしてのかせてこいよ! ご近所様の迷惑になっているだろうが!」
「はい!」
風紀委員は悲鳴のような返事をして身をひるがえし、全速力で駆けていった。
最後に、オレ様王子様はわたしに目を留めた。なぜかわたしにも怒りが向いているようだった。
「お前はどういうつもりだ?」
「どういうつもりも何も、会長に提出したいものがあったので追いかけてきただけです」
あんな無分別な馬鹿たれどもと個人的な親交があったと誤解されたくなかったので、できるだけ冷静に関わりを否定した。
「三国先輩からです」
ファイルに入れて持ってきていた企画書を渡すと、オレ様王子様はそれをざっと見てふんと鼻を鳴らした。
「あの男たちはお前の顔を知っていて、名前を呼んでいなかったか?」
「そうかもしれません。でも、彼らがわたしを知っているからといって、わたしまで彼らを知っている必要はないでしょう?」
「あいつらはお前に怒りを感じていたようだが?」
「知らない人ですよ」
わたしの美少女ぶりは近所でも有名だ。知らないところで恋され、知らないところで失恋されていることなど本当にしょっちゅうある。彼らのたわ言にいちいち耳を貸すような時間も労力もわたしにはない。もてる人間は理不尽にも方々で恨みを買う。それにわたしは天地神明に誓って、彼らに覚えなどなかった。オレ様王子様ならわかってくれると思うけど、今は冷静な思考ができていないのかもしれない。こっぴどくやられた後なら仕方がないだろう。
「先輩、いいですか。先輩を殴ったのはわたしじゃないんですよ。わたしが殴られそうだったところを助けてくださったのには感謝しますけど、どうしてわたしを責めようとするんですか? わたしだって知らない男の人に殴られるかもしれないと思って怖かったんですよ。ショックを受けてるんです」
目を見て切々と訴えた。なのにオレ様王子様の表情に労わりめいたものは1ミリグラムも浮かばなかった。むしろいっそう険のある目つきとなっていった。視線が刺さる、という言い方があるけど、もしも実際に視線に物理的な力があったなら、わたしはすぐさま自分の葬儀用の弔辞を書きはじめていただろう。
(なぜ?)
そういえばオレ様王子様はエゴの膨れ上がった尊大なキャラだったなと思い出した。人前でボコボコにされたことで自尊心が大いに傷つき、攻撃的な気分になっていたとしてもおかしくはない。
しかし、怒りや羞恥や、わたしが読みとりきれなかったほかの感情がうごめいていたとしても、彼はそれらをすべて飲みくだして謝った。わかってくれたようだった。
「……そうだな。悪かった」
思った通り、オレ様王子様は十分に理性的な人間だった。
「ただお前には事情を訊かなくてはならない。わかるよな」
「はい」
「本館1階のカウンセリング室はわかるよな。そこに行ってろ。誰かを寄こして話を聞かせるから。オレはここの収拾をつける」
いつのまにか集まっていたすごい数の野次馬たちを威嚇するように睨みつけ、追い払うために手を振った。それからわたしに向きなおり、言った。血がにじんだ口元が危険な角度で吊りあがっていた。
「喜べ。春風ミユウ、お前のことはよーく覚えておくからな」
イベントをクリアし、また親密度が上がったらしい。オレ様王子様らしい尊大な言葉に思わず笑いが漏れた。
「それはどうも、ありがとうございます」
オレ様王子様にこうまで言ってもらえる女の子は、世界でわたしひとりだろう。
――side: 赤葉キョウスケ
大学受験を控えた3年生は今月から朝と放課後にそれぞれ45分の補習が入って実質一日9時限の授業となり、思いのほか自分の時間が取れなくなっていた。やらなければいけないこと、やりたいことは山とあるが、全部をこなすことは到底できそうになかった。オレは常に物事に優先順位をつけて効率よくやっていくようにしているが、そろそろ思い切った取捨選択もしなければならない時期に来ているのかもしれない。
(くそ、やれるか?)
手紙のことを思った。シューズ・ロッカーに入れられていたあの手紙。あの件はなんとか解決させたい。しかしまともに取り組むなら、もうあとは睡眠時間を削るしかなくなるだろう。
(やっぱり誰かの手を借りるしかないか……。でも誰の手を?)
心当たりを探っていたとき、誰かがオレの名を呼ぶ声が聞こえた。
「赤葉先輩!」
振り返ると、見覚えのある女子生徒がいて、片手を上げて自分が呼んだのだと合図していた。
(……春風?)
声に反応したのはオレだけではなかった。
「見つけたぞ! てめえ、このくそアマ!」
(……くそアマ?)
およそこの学園にはふさわしくない罵声とともに、明らかに学外の人間がふたり、正門あたりからずかずかと近づいてきた。彼らを制止しようとしたオレの前を春風が素早くふさぐように立ち、にっこりと微笑んでオレを見上げた。
「なにシカトぶっこいてんだ! 春風ミユウ、てめえだよ!」
「え、わたし?」
男は春風の名を怒鳴った。春風は心外そうに眼を丸くしたが、もし誰か学園の生徒をくそアマと呼ばなければいけないとしたら、オレも今のところは春風ミユウを選ぶだろうと思う。
「……誰?」
春風は首をかしげて無邪気そうに言った。
「誰だと!? この顔の傷見ても思い出さねえのか!?」
(おい、これは何事だ?)
目の前で上演されている男女のドラマに困惑していた。痴話げんかなのかもっと深刻なトラブルなのか判断がつかなかった。どちらにしても頃合いを見計らって止めなければいけないだろうが、どんどん頭に血を上らせていく男たちとそれを煽る春風とをひとりで抑えられるだろうかという懸念があって、近くにいる生徒に誰か教師を呼んでくるように頼もうかと考えていたときだった。
完全に頭に来ている様子の男たちはほえるように怒鳴り、一直線に春風に向かって進んできた。いかにも不穏な空気に、オレは割って入ることを決意した。
春風はオレの腕に飛びつき、背に隠れた。
「赤葉先輩! 助けて!」
「このくそ女の男かよ? てめえも死ね!」
「は?」
否定する間もなければ状況を把握する間もないほどの急展開で殴られて、地面を転がった。暴力を受ける決意まではしていなかった。
「え、弱……」
春風がオレを見下げて勝手な口をきくのを、オレの耳は聞き逃さなかった。意外そうな調子で、どこまでも無邪気な響きだった。その声に心配の色や申し訳なさといったものは含まれていなかったことを、続けざまに蹴りを加えられながらもはっきりと聞きとった。
遠巻きに見ていた生徒たちから悲鳴が上がっていた。
やがて駆けつけてきた警備員たちが男たちの身柄を取り押さえ、オレはなんとか立ちあがった。制服についた砂を払い、髪を手ぐしですき、白いシャツにくっきり残った足形をはたき落そうと試みて諦めた。最後にワインレッドの細身のネクタイを締め直したが、オレの姿が普段通りには見えていないだろうことはよくわかっていた。殴られた際にくちびるの端が切れたことに気がついてハンカチで押さえたら血がついていた。
わめきだしたかった。口汚く罵りたかった。しかし生徒たちは視線の照準をオレと春風に据えているし、やらなければならないことはそれではなかった。オレは即席ノイローゼの誘惑にどうにか抗った。
「……なあ、教えてくれないか? 警備員が誰かれ構わず学園の敷地の中に入れるんだったら、お前らは何の役に立つんだ?」
愚にもつかない言い訳がこれ。
「その……彼らがガールフレンドを待っているだけだと言うので……。申し訳ございません……」
自分が何をやっているかもわかっていなかった馬鹿どもとのやりとりをうんざりしながら切り上げ、他人事のような顔をして眺めていた春風ミユウに向きなおった。
「お前はどういうつもりだ?」
「どういうつもりも何も、会長に提出したいものがあったので追いかけてきただけです」
しれっとした言葉。
「三国先輩からです」
ファイルに入った企画書を渡され確認のために見たが、嘘ではなさそうだった。
(用意のいいことだ)
「あの男たちはお前の顔を知っていて、名前を呼んでいなかったか?」
「そうかもしれません。でも、彼らがわたしを知っているからといって、わたしまで彼らを知っている必要はないでしょう?」
「あいつらはお前に怒りを感じていたようだが?」
「知らない人ですよ」
オレの追及を春風は白々しくかわし続けた。そして仕方なさそうにため息をつき、ほとんど侮辱的な、聞きわけのない人間に言って聞かせるような口調で言った。
「先輩、いいですか。先輩を殴ったのはわたしじゃないんですよ。わたしが殴られそうだったところを助けてくださったのには感謝しますけど、どうしてわたしを責めようとするんですか? わたしだって知らない男の人に殴られるかもしれないと思って怖かったんですよ。ショックを受けてるんです」
(ああ?)
今すぐこの女に一発お見舞いしてやろうか、それとも身構えるまで待つべきか、どちらがより紳士的だろうかと考えた。男たちにこの女を殴らせておくべきだったと後悔もしていた。
(オレが何かしたか?)
春風本人は関わりを否定しているが、学園に春風を恨む男たちが来て、そこに都合よくもオレを追って春風が現れ、男たちの恨みをオレに向けさせたという状況からは、春風の意図があったとしかとれなかった。現にこの女は本気で怯える様子も見せず、男たちを挑発し続けていたではないか? しかしここまでされるほどの覚えはない。
嘘だと言えるような証拠もないので、被害者面をしているこの女の言い分をいったん呑むしかなかった。
「……そうだな。悪かった」
とはいえ、このままで終わらせるつもりなどない。
「ただお前には事情を訊かなくてはならない。わかるよな」
「はい」
「本館1階のカウンセリング室はわかるよな。そこに行ってろ。誰かを寄こして話を聞かせるから。オレはここの収拾をつける」
敵だとはっきりしたのなら、何を遠慮する必要があるだろうか。
「喜べ。春風ミユウ、お前のことはよーく覚えておくからな」
怒り、対立、競争。どれもオレの人生にはお馴染みのものだ。それから勝利も。
春風は受けて立つと言うかのように笑みを浮かべた。
「それはどうも、ありがとうございます」