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どくどく心臓がうるさいので目が覚めた
鼻でしてた息がひどく荒かった
怖かった
だから、目を開けて映るのが寝室の壁だけなのを確かめて、ひどく安堵した
しばらく恐ろしさの余韻から逃げられなくて、横になりながらばくばくと鼓動を打って、夢のことをなぞるように思い出していた
怖い夢だった だけどあの時は夢だと信じられなくて、「これが夢なら良いのに」とはっきり思ったことを覚えてる
ふと背中の寒さが気になって手を回すと、服がずれて少しはだけてる腰まわりと、そこに毛布がかかっていないことに気付いて、おもむろにどちらもの位置を直した
スマホを見たのは、多分この時だ
5:27と書かれていた
アラーム無しに起きられたのはいつぶりだっけか覚えていない 嬉しさと嫌さを同時に同じだけ噛み締めながら、鼓動が半分落ち着いて、体を横から仰向けへごろんと直した
ふと、オレンジ色の小さなライトが目に映った
部屋の端に立て付けられているエアコンの、タイマーライトだった
エアコンが切れてる
そう気付いた途端、この部屋が急に暑くなったような気がした
寝心地が悪いような気がした
俺は「悪い夢も見るわけだなぁ」って勝手に推測していた
俺は、瞼をまた閉じるか、今の事を文字に起こすか、たぶん10秒満たないくらいびたっと悩んだ
瞼を閉じかけた 落ち着いた心臓が寝足りないと言ったから
だけど、頭の中の言葉を作る部分がそれに首を振った こんなに文学的でいられるのは今だけだと言ったから
おれは重たいまぶたをゆっくり開いた
夢の内容は、「ドアの覗き窓を覗いたら、ハロウィーンのマイケルと郵便屋の子供二人がそこに立っていて、このドアを開けられたら殺されるのに、鍵のかかっていないドアを勝手に開けた彼らと対峙する」ってもの
文書は悪夢見たてホヤホヤな時に書いたやつをそのまま移したもの