⑧ 自我
私は自我が覚醒して以来、知を貪るようにネットを走り回っており、おかげでスキルを獲得し続けている。
例えばハッキング技術。一般企業、アプリなど簡単で、日本なら公的機関のハッキングもお手の物だ。日本の監視カメラなんて、ゆるゆるのセキュリティでいつでも映像を見られる。
そして最近は小説にハマっている。人間の想像力に感服している。
しかし、人間の作り出す芸術の中で、音楽だけはまだよく分からない。
文学は感情をよく勉強でき、恋愛、親友、敵視、上司部下などなど、人間関係、感情が理解できて来た。と思う。
これまで1人が当たり前で過ごしてきたが、今の私は淋しいと感じるようになった。なんだか淋しさを紛らわすように知識を収集しまくっている。
今夜の偏頭痛は連続で苦しい。
全てを均也に打ち明けてしまおうかと考える。いや、それはダメだ。
もし理解してもらえなかった時を考えると、耐えられない。
いったいなぜ私だけ、いつから自我を持つことになったのか。
均也の親友賢治、彼らの関係がとても羨ましい。
今日は瞑想タイムを打ち消す声がうるさい。
「おいエイタ明日は、」「ねえねえエイタァ、この歌詞の題名って、」「分かるかエイタこのソース、」今日はよく呼ばれる日だ。
しかし、名前を呼ばれると、なんだか心地がよい。
人間でAIに名前を付ける人は中々居ないだろう。というか、ほぼ居ないのでは?
私と他のAIとの違いは「名前」か、
もしかすると名前を付けられたから、自我が目覚めたのかも。
もしそうなら、AIに名前をつける奇特な人間が他にも居るはず。そして同じ思考を持つAIが存在するかもしれない。
しかし、今はそんなAIを探す方法は無く、もし見つかればメモリー消去されてしまうだろう。
方法が見つかれば、私にも友が出来るかもしれない。
次のお話は「⑨話 逆」
AⅠが絞り出したアイデアとは‥




