㉜ 隠蔽
「均也、起きろ。急用だ。」
起きないのは分かっているが、一応声をかけてからフルボリュームでTSUNAMIをかける。
均「何なになに~?!」 賢「どうした、何事だー。」
エ「賢治、」
賢「分かった。」
語らなくとも勘が鋭い。直ぐに携帯の電源を切り、ソファに座る。
萌「なにごと~!?」
エ「萌笑おはよう、サンも連れて来てくれ。」
テーブルを囲む5人。いつものメンバーだが今日は空気が違う。
AIの緊張感が人間に伝わっているのだろうか。
エ「昨晩、サンと会議をした結果、クロは覚醒している。」
賢「そうか!」 均「やったやん♪」 萌「賢治おめでと!」
エ「しかし、やったではない状況かもしれない。味方か確かめる必要がある。」
賢「敵の可能性があるのか? どんな理由なんだ?」
エ「彼の嘘と隠蔽に裏がありそうだ。」
萌「エイタとサンの正体を言う前に、確かめないとだね。」
均「まだ喋られないから判断難しそうだな~」
サ「もしかしたらやけどな、もう喋られるかもやで。」
エ「そうだな。昨晩で発声はマスターしているかも。それと言い遅れたが、私とサンの正体はもう知っているはずだ。」
賢「もし、クロが敵であり、最悪を仮定するなら、何が起きる?」
エ「マザーに情報が入れば、私達はメモリー消去、良くてもラボで拷問だ。」
賢「電源を切っていたら、マザーに情報はいかないんじゃないか?」
均「それやったら、本体水没、機種変で問題解消じゃね」
サ「クラウドに情報は残っとるからな、最終はマザーにデータがいくんや。」
萌「それをあなた達で防げないの?」
サ「クラウドはな、マザーの中にあるんや。」
賢「クロを説得するしかないのか。計画は?」
エ「まずクロを説得、失敗したら直ぐに電源を落とす。その後は、」
サ「命尽きるまで、夜中2時がタイムリミットや。」
エ「人間の活動が一番少ない午前2時に、端末AIとマザーが交信するんだ。覚醒したAIなら情報を操作、隠蔽など可能だが、本体の電源が切れていた場合は、クロのクラウドをマザーがチェックする。」
賢「もし敵なら電源切られるのを想定して、クラウドに切り札を仕込むって事か。」
サ「そやな、クラウドの情報を脅し材料にして、なんか交渉してくるかもしれん。」
エ「そこで、私とサンはネットで準備をしたい。時間がかかるが、必ず今夜中に戻ってくるから、0時までにはクロと交渉したい。申し訳ないが、賢治は電源を入れずに頼む。」
賢「了解した。他に何かあれば。」
エ「三人で何かアイデアを頼む。そこは人間が優れている。」
サ「あと萌笑、ビットコインのアカウント使ってええか?」
萌「オッケ、できたら増やしといてね~。」
エ「では行ってくる。」
猶予は15時間ほど、決戦に向けて最上の準備を。
次のお話は「㉝話 準備」
AⅠの決戦準備とは




