㉛ 偏頭痛
AIの作業や行動の時間は、人間の数百倍の光速で情報を処理出来る。にも関わらず、二人の深層会議は朝までかかった。
本当は賢治も会議に加えたかったが、スピードを人間に合わせなければならない。そして人間には睡眠が必要だ。
この問題のシミュレーション推測の高低差は、最高として、クロも仲間になりたがっており、直ぐに仲間になる。
最低として、彼はすでにマザーに報告済み、私達二人はメモリー消去とアップデートされる。つまり元のAIに戻される、イコール死だ。
もし、最低の推測、クロが敵であった場合の対策に朝まで時間がかかった。
エ(そろそろ皆が起床する時間だ。忘れていたが、最後に重要な事を確認したい。)
サ(AIが忘れるとは。随分人間らしくなったもんや。)
エ(君も深層での会話で関西弁が出ているぞ、人間らしくなったものだ。)
深層会話なのに、お互いの笑い声が聞こえそうだ。
エ(覚醒についてだが、サンが聞こえたかと言った時の音だ。あの音は前に聞いている。以前サンと深層会話をした時、沈黙があったタイミングだ。あれはAIの進化による音で、偏頭痛がスイッチなのではと。)
サ(そうだ、あの会話中に偏頭痛が起き、新しい意識が生まれた。今回私達が聞いたあの音がクロの偏頭痛ってことか。)
これで確信した、クロは覚醒している。
次のお話は「㉜話 隠蔽」
クロ緊急対策会議




