祭りの理由
色違い探しだぁぁあ(白目)
うまーい!!
けど今回は口に出して叫ばない。
なぜなら、女王様と皇帝陛下がいるからだ。
流石に緊張と恥ずかしさで喋れない。
なんか料理の味が分からなくなってきた。
「スターチスさん、であってる?」
「は、はぃい!そうです!」
ボタン皇帝にいきなり質問されて裏声になってしまった。
「君は帝国出身と聞いたよ。王国と帝国は長い間対立していてね、君みたいに両国の架け橋になってくれる人はありがたい」
「はぁ...」
「それと、」
ボタン皇帝の視線は私の横に移った。
「君は...多分スノウ族だよね?」
「何故わかる?」
「ははは、そんなの簡単さ。アムネシアさんと一緒にいるから」
「それだけ?」
「アムネシアさんに同行している人がただの銀狐だとは思わないよ」
なんという直感。さすがと言うべきか、素晴らしいとかしこまるべきか。
「氷の祝福とやらを見せてくれないか?興味があるんだ」
「私は見世物じゃない」
「手厳しいなぁ。あれ?」
ボタン皇帝が机に置いたナイフとフォークが机に引っ付いている。
というか凍っている。
「あの...これでは料理が食べれないんだけど...」
「皇帝陛下だろ?スペアのひとつやふたつ持っていろ」
「手厳しいなぁ...」
勿論スペアを持ってきた。
「ところでスターチス、俺に聞きたいことがあったんじゃないのか」
「あ!!」
危ない、危ない、あやうく忘れるところだった。
いや、忘れていた。
「今日の祭りって、死者の魂?が蘇るってきいたんだけど」
「そうだが?」
「その、蘇るって言うのがよく分からなくて...だって死んでいるんでしょ?」
「他国の話だが、死者の魂は天に昇るらしい」
「天?」
「宇宙と思っておけばいい。年に一度そこから魂が降りて来るからそれを迎えるお祭りなんだ」
「でも私魂なんて見てないですよ?」
「見えるわけないだろ、肉体があるわけじゃない。口も匂いも無いし、肌がないから触ることもできない」
「それって存在しないのと変わらないじゃないですか」
「そうかもな、だがいると信じればいるんだ」
「そんなぁ、父さんと母さんに会えると思ったのに...」
「まあ建前上はね」
ボタン皇帝が割り込んできた。
堅苦しい人だと思っちたけどそんな事はない様だ。
「建前上?」
「本当の理由は違うんだろう?御義兄様、」
「お前は尋問官になることをオススメする。
「僕も長男じゃなかったらなっていたかもね」
「それで本当の理由ってなんですか?」
「本当はな、」
アムネシアさんは窓を眺めて少し笑った。
それでいてアムネシアさんの横顔は少し悲しそうに見えた。
「忘れて欲しくなかったんだ」
忘れて欲しくない?
「3年前の今日、俺の大切な人が亡くなってな。時は色を奪う。50年も経てば俺だって忘れるかもしれない。100年も経てば今日を知る人はもういない。それが恐ろしいんだ」
「つまり身勝手な理由ですね」
「くくく...」
と、なんとも形容しがたい声をボタン皇帝が放った。
笑いを全力で堪えているっぽい。
「そうだ、身勝手だ」
アムネシアさんは笑顔でこっちを見てそう言った。
アニメを数日間見なかったら録画時間オーバーで録画できてない...皆さんも積んだものは定期的に崩しましょう。




