カフェで一休み
ゲームがイベント中でやり込みたいのに、リアル事情が大変で、あまり遊べていません。ぐぅ...
「うまーい!」
このカフェの料理は全部美味い。太ってしまいそうだ。
「汝よ、我にもよこせ」
周りを見回してみても、私に話しかけている人はいない。
なのに、
「今キョロキョロしている汝のことを言っているのだ」
明らかに私のことだ。
向かいの席からいきなり猫が飛び出してきた。
「うわ!びっくりした!」
「汝は下が見れぬようだから我が上に来たのだ」
「あー、喋る猫か...色んなことがあって気にしてなかったけど何者...?」
「それをよこしてくれたら話してやろう」
私はケーキを献上した。
「我は違うが、他の猫は主の開発した薬によって話すことが出来る。人型になることも出来る」
主ってアムネシアさんのことだよなあ。
「薬は正確には知能を与えている。そのおかげで人の言葉を理解し、話すことが出来る。主は野良猫に知能を与え、労働力をもらっている。猫も資本主義なのだよ」
猫も大変なのね。
「私も一緒にいい?」
周りを見回すと、そこにはソメイさんがいた。
「まさかソメイさんも薬を飲んでるだけで本当はただの狐だったりするの?」
「我に聞かれても...」
「...?何の話?」
「いや、なんでもない」
「ただ、薬と言えばヤク中になったことはあったな」
カラン、と私の手のひらからスプーンが落ちた。
「すごい顔になってるよ?スプーンが落ちたのそんなにショックだった?」
「...ちょっと待って、ヤク中って本当に?!」
「そうだよ?」
「何があったの...?」
「以前奴隷になったことがあってね。その時に脱走しないようにって体の機能には無害なんだけど、依存性が高い薬を使うの。今思うとよく耐えたなぁ」
「へ、へぇ」
私は顔を引きつったままスプーンを拾って、新しいのと変えてもらった。
「なんて酷いことを!!私はその奴隷商を許さない!」
周りを見回すと、騎士団長のユリさんがいた。
「ユリさん?どうしてここに?」
「君達のような可憐な方に会う理由なんて一つしかないだろう!」
顔を目の前に持ってきて、してっと恋人繋ぎをしてきた。
「あ、あの...少し近くないですか...?」
「そんなことないさ!なんならもう少し近づきたいくらいさ」
ここ人との空気の違いを感じられる。ちょっとひくわぁ...
「そんなに私のことが好きなんですか?」
「ああ、そうさ!なんたって私は百合が大好きだからね!」
カラン、と私の手のひらからスプーンがまた落ちた。
「スプーンが落ちたぞ?全く、気おつけないといけないだろう?どうせなら私がスプーンをもってあーん、としようか?私はうっかりスプーンは落とさないから安心だぞ!」
ひくわぁ...
「騎士団長殿、スターチスが困っているから、少し離れてくれないか?」
「君は...以前会った銀狐族の...そうだ、君に貰ったものは素晴らしい、ぜひお礼をしたかったところだったんだ!」
「お礼...?ソメイさん何か渡したの...?」
「いや、何も」
「あ!!」
いきなりユリさんが叫んだ。
「すまない、人違いだったようだ。これで私は失礼するよ。ではまた!」
貰ったもの?なんのことだろう。
一様アムネシアさんに報告しておこう。百合だった事は伏せておこう...
作品の延長が決定しました!!もうすぐ終わる予定でしたが、もっと伸ばしたい気分なので、気分が変わらない限り、もう半年はありそうです。




