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忘却の花  作者: 野薔薇 太陽
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悪の組織編第十章 家族

もうすぐ年末だ!家でゴロゴロするぞ!

今回の章は他より異常に長くなってしまいました。

この作品もあともう少しで終わります。多分春頃です。

 ゼラの所に戻ってくるとゼラと意識が少し戻ったゲラがいた。

「師匠にリモさん、カブトはもう倒したんすか?」

「ええ、そうよ。それはさておきさ、そいつどうするの?」

 そいつとはゲラのことだろう。

「薬物売ってる組織の一員だ。あとは警察に任せるのが普通だろう。だが、その前に聞きたいことがある」

「...なんだ?」

 ゲラがこっちを見てきた。

 質疑応答くらいはできそうだな。

「なぜそんなにゼラが嫌いなんだ?家族とはそいうものなのか?」

 気持ち悪いから、とか幼い頃は悪ガキだった、とかだろうか。

「...元々は嫌いなんかじゃなかった。ゼラが産まれる時はあいつと一緒に喜んだ。3人で幸せに暮らそうって」

「じゃあなんでこんな関係になってるのよ」

 俺が質問するより先ににリモが口を開いた。聞きたかったことはリモと同じだったから、聞く手間が省けたな。

「それはゼラが生まれてから全てが狂い始めたからだ!」

「全て、だと?」

「そうだ!全てだ!そもそもあいつは体が弱かった!なのにお前を産もうって言い出したんだ!俺は最初は反対したがあいつの決意と大切な家族が増えて幸せになるために俺も決心した。そしてお前を産んであいつは死んだんだ!」

「それでゼラに八つ当たりか?」

「最低な親ね、ゼラが悪いことなんて何も無いじゃない。それこそそのあいつって人とあんたのせいじゃない」

「リモ、少し待て。こいつは全てが狂ったと言った。他にもなにかあったんじゃないのか?」

「あいつが死んでから4年たった時に帝国と戦争が始まったんだ!ゼラをお袋と姉貴のいる実家に預けて俺も兄貴も戦争に行ったさ。配属は違ったが2人とも最前線だった。俺は生き残った!仲間が足が消えようと、体の中から何かが出てこようと俺は泥をすすりつつ生き残った!でも兄貴は...兄貴は...右腕意外何も無くなっていたんだ!兄貴は暴力的だが兄弟思いで自慢できる程だった。俺は兄貴の一部と家に帰った!俺たちの故郷セラにな!」

 リモが俺に耳打ちで聞いてきた。

「セラって?」

「12年前の戦争で帝国に掌握された街っす。すぐに取り返したっすけど。」

 ゼラが答えた。どうやらバリバリ聞こえていたようだ。

「だが、家はもうなかった!壊されたんだ!俺の家には2人分の死体が潰されていたらしい。なのに、なのに、お前だけは生き残った!ゼラはもう唯一の家族だ。俺だって大切にしようとした。だが俺が戦争に勝って職につこうとしたら皆俺を相手にしなかった!氷河期だと?俺は戦争を勝ち残ったエースだぞ!なのに帰ったら配達員すらやらせてくれない!俺を拾ってくれたのはこの組織だけだ!そんな時に4歳の子供を健やかに育てられるはずがない!」

「だからやったと?」

「なら俺はどうすればよかったんだ!最初は勢いでしてしまった。だがもう戻れねんだよ!こんなクズ誰だって許せねえ。お前だってこんなクズ許せねえだろ?もう俺には何も無い。死刑になってもいい。いや、そうしてくれ。そうすればお前の気も晴れるし、やっとあいつに会える...」

「...どうするの?」

 リモがさじを投げてきた。

「そうだな...」

 そんな時ゼラがゲラに抱きついた

「ゼラ、どうしたの?!」

「首を絞めたいのか?!それは俺がやっておくからゼラは休んでてくれ!」

「そんな悲しいこと言わないでください」

 ゼラは慌てている俺とリモ気にせずにゲラに語りかけた。

「自分は父さんがした事は嫌でした。辛かったです。でも、全て許します。こうして自分自身がしてきた悪行を認めたからです。反省しているのに許さないなんてできませんよ。家族なんですから」

「ゼラ...すまない!すまなかった!これまで酷いことして!もうお前に悲しい思いなんてさせない!」

 ゲラもゼラを抱きしめた。

「...うん...」

 2人とも大泣きだ。家族水入らずに首を突っ込むわけにはいかないから待っていいよう。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 数分後2人は離れた。

「これから父さんはどうなるんすか?」

「さっきも言った通り警察に突き出す。更生する気があるなら数年で出られるだろ」

「ゼラ、俺はすぐあそこから出てお前と一緒に暮らすよ。また一から始めよう」

「...うん!」

「はいはい、家族水入らずのとこ悪いけどあんたはもう連れていくわよ」

「ゼ、ゼラァァ!」

「父さーん!」

 座っているゲラがリモに首を掴まれて部屋の外に出ていった。

「なあ、ゼラ」

「どうしたんすか?」

「なぜ許せたんだ?お前の数年間はその程度だったのか?」

「もう、師匠はドラ息子なんすか?」

「ん?ドラ息子...?そうなのか?親に迷惑をかけては...少しはかけたが、そこまで言われるほどではないぞ」

「家族だからっすよ」

「家族だから?」

「そうっす。家族だから」

「家族ってそういうものなのか?」

「師匠って家族嫌いなんすか?」

「いや、そういう訳では無いが...」

「なら行きましょ、外で皆待ってるっすよ」

「そうだな、リモも一緒に殴り込みに来た警察も待っているだろうからな」

 家族とはなんでも許せる関係のことなのか?

 それとも、どんな関係でも切っても切れない存在のことなのか?

 血縁のことか?

 簡単に言い表せれないことなのか?

 多分正解はロマンチックな方なんだろう。

次回そこは悪の「組織編最終章」です。本当ですよ?

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最後まで見て下さってありがとうございます。 ...でいいのかな? っと言いますと、作者(私)はインターネットなるものがすこぶる苦手です。 なのでこの文章がどこら辺に記載されるのか全く分かりません。 そんなこんなで始まったこの作品、最終章まで見て頂けると幸いです。 ではまた次の章で。
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