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忘却の花  作者: 野薔薇 太陽
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悪の組織編第九章 奥の手

知人が以前「小説とは一文字も無駄がない。何時間も推敲してつくったものだ」と言っていました。つまりこの作品は小説じゃないってことですね。

 俺は懐に手を入れて手裏剣を持ち、それをを投げた。

 カブトは弾こうとしたが、手裏剣はいきなり軌道を変えてきた。

「ぐっ、」

 カブトは寸のところで体を逸らして致命傷を避けた。

 これで5度目だ。こんな変化球を何度もかわすとは、相当目がいい。

 俺はまた手裏剣を投げた。

 しかし初めて弾かれた。

「その投げ方はさっき見たぞ。さっきも言ったが2度も通用すると思うな」

「ほおー、そいつは怖いな」

 俺はまた懐から手裏剣を出し、投げた。

 そしてまた弾かれた。

「それもさっき見たぞ。まさかまだ手裏剣はあるのに投げ方がもう無いのか?」

「もしもの時ように、あともうひとつくらいあるかもしれないぞ?」

「ふん!お前の目を見れば嘘をついていることくらいわかるわ!」

 リモが顔に皺を寄せてこっちを見てきた。

「ふむ...これが嘘をついている目ね...わかんないわ」

「安心しろお嬢さん。私が選ばれた人間なだけだ。勝負を挑む相手を間違えているだけさ」

 リモはさらに皺を寄せた。

「本当に生意気ね!」

 全くその通りだ。

 俺は懐に手を入れた。ん?

「どうした?英雄君?もう無くなったのか?」

「さあ、どうだか?」

「だから目を見ればわかると言っているだろう!」

 俺は手を閉じ、肩を竦めた。

「全く、打つ手なしだ」

 カブトは吹き出した。

「ガハハハハ!手裏剣とはなんともあっけない武器だ!それに形状も少し変だ。星のように平べったくて棘があるが4つしかない。真ん中には空洞がある。構造に無駄を感じる」

 俺は目を少し開いた。

「あまり舐めない方がいい。手裏剣は人気も歴史もある。お前には予想もつかない使い方だってある」

 カブトは少し表情を曇らせた。

「もしそれが本当だとしてどうなる?所詮は投擲武器、投げ終わったらどうにもならない」

 俺は大きく目を見開いた。

「俺の切り札を舐めるなよ!」

 カブトは少したじろいだが、すぐに大声を出した。

「お前に勝ち目なんてねえんだよ!」

 カブトは突撃してきた。

 カブトまでの距離10m、9、8、7、6、5、4、3、2...1!

 いまだ!

「な?!」

 カブトはその瞬間背中に強烈な痛みを感じた。

 カブトは反射的に後ろを見た。

 手裏剣が背中に刺さっていた。

「なんだ...これは...?」

 カブトは背中に刺さっている手裏剣から細い糸が伸びているのが見えた。

 その糸はとても細く、カブトでも見るのは少し骨が折れる程だ。

 その糸は全部俺の手に伸びている。

 カブトは理解した。糸を強く引っ張ったことで床に落ちている手裏剣が勢いよく俺の所に戻ってきたのだ。

 普通ならカブトには当たらないが、カブトが手裏剣の軌道に入ってしまったからこんなことになったのだ。

 カブトはただ軽くするために後ろの甲冑を付けなかったことを反省するのみだ。

「後ろばかり見て大丈夫か?!」

 カブトはその言葉を聞いて、目の前に俺がいることを思い出した。

 こっちを向いた時には時すでにお寿司。既に目の前には剣があった。

「まだ間に合う!」

 しかし流石はカブト。剣を受け止めようとした。

 カブトは剣を弾いた。

 しかしその剣は誰も握ってはいなかった。

 俺手は剣を持っているのではなく、握り拳をつくっていた。

「くらえぇ!」

「ダメだ、間に合わない!」

 ぐしゃ

 それが一番近い音が出て甲冑を着たカブトが空中で一回して頭から地面に落ちた。

 流石と言うべきか、カブトは頭から落ちたのに死んではいなかった。代わりに気絶したがな。

「終わったの...?」

 リモは独り言のように呟いた。

「ああ、そのようだな」

 いや、本当に終わったのだろうか。終わったらいいのだが。

次回は悪の組織編の最終章の予定です。

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最後まで見て下さってありがとうございます。 ...でいいのかな? っと言いますと、作者(私)はインターネットなるものがすこぶる苦手です。 なのでこの文章がどこら辺に記載されるのか全く分かりません。 そんなこんなで始まったこの作品、最終章まで見て頂けると幸いです。 ではまた次の章で。
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