厄災編第二章 準備
今回はわざと1週間遅らせました。決して!うっかりとかじゃあありませんよ!絶対に、絶っっったいにですよ!...嘘ですごめんなさい、熱中症にかかって遅れました。ごめんなさい。
俺は武器を作っていた。
勿論、訓練の合間にやっている。
訓練の後は疲れてやる気が出ないからな。
武器を作る理由はスイレンを倒すためだ。
彼なのか彼女なのかは(見た人が全員死んでいるから)知らないが、国が恐れる人間だ。
多対一の場合後者が前者を超える力があったとしても、疲労は同じくらい溜まる。
この疲労が勝敗の鍵となる。
相手を数で疲れさせ、弱くなったところを一気に叩く。
だが、これくらい一国の王ならすぐにひらめく案の筈だ。
ならなぜ、恐れるのか。
これ推測だが、スイレンは疲れないのかもしれない。
人なのかも怪しい。死者が動いているだけかもしれない。
もしくは人をのろまな蚊を殺すほど容易いからかもしれない。
そんなスイレンを倒す方法を二つ思いついた。
一つ目は先手必勝。一瞬で蹴りをつける。
スイレンが疲れなくても俺達は疲れる。
二つ目は一撃離脱。敵は一人だ。交戦して一度下がっても追撃はされずらい。
順番に攻めるため休憩を取れる。もしスイレンが疲労を感じるのならば、一方的に疲れさせれる。
そして今、色んな種類の武器を作っている。
スイレンは国を落としている。そんな武力に長けた者だ。だから色んな武器を使って、苦手な武器を戦いながら見つける。
作ったのは、剣・槍・斧・弓・殴打武器など。
どれも他人に教えられる程の技量はある。
「師匠〜!もう昼休憩終わるっすよ〜!」
もうすぐこの街が戦場になるというのに何たる気楽な口調。
いや、それがゼラのいい所かな。
いや待てよ?そうだった、ゼラにはスイレンが来ることを言っていなかったな。
今から言うかな...
まいっか。
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昼休憩が終わった後の訓練中にて、ゼラと兵士が会話をしていた。
「そう言えば、なんでいきなり訓練をするなんて言ったんすか?まさか血の英雄達が来た時に何もしてなかったからっすか?」
「なんか嫌味が含まれていませんか...?」
「そんなことは無いっすよ」嘘だな。
「血の英雄の事もございますが、それよりかはスイレンが来た時のためでしょう」
「え?!スイレンが来るって事っすか?!」
「え?ええ、ご存知なかったのですか?」
「...今日の訓練が終わったら師匠に聞いてくるっす」
「いえ、それはやらない方が賢明かと。王子は心配させたくなくて言っていないのではないでしょうか?」
「いやいやいやいや、師匠はそんな気の利く人じゃないっすよ」
「そうなのですか?王宮にいらした時はそんなことはなかったのですか...」
「あ、そういえば師匠って王宮にいたときにどんな感じだったんすか?」
「はい、それは...?!」
おやおや、いきなり喋るのを止めてしまった。後ろから殺気立った視線を受けたからか?
「し、師匠どうしたっすか...?」
「いや、なんでもない。ただ、勝手に他人の昔話をしているから誰の事か気になっただけだ。訓練の手を止めてでも話すような程とは、そいつはそんだ有名人だな。ちなみに、誰の話をしていたんだ?」
「まさに嫌味っすね...」
「何か言ったか?」
「いえ何も」
「なら良し」
そう言って俺は元いた場所に戻った。
「絶対に最初から聞いてたっす」
「そう言えば、王子は五感が人一倍優れていましたね」
その会話も全て丸聞こえだ。
次回は「厄災編第三章 予兆」の予定です。




