後日談
小説の応募があるのですが、その条件として文字数がたまにあります。その文字数が10万のものがありました。そういえばこの作品はどのくらいなんだ?と思い調べると約3万でした。あれ?あと3倍もいるの?
一連の事件の後、死者、負傷者は増えなかったが、色々と大変だった。
死者の埋葬、負傷者の看護、街の復興など。
中でも一番大変だったのがこの事件の主犯の逮捕だ。
犯人を先に言うとカサギ卿だ。
犯人が有力貴族だったというのもあるが、問題なのはその手口だ。
この国では国内外に手紙を送る時文章を読まない。
当たり前だって?まあ、そうかもな。
話を戻すが文章を読まないから隣国に秘密裏に文章を送れるということだ。
その時宛名は見られるが、その名前がサワギだったようだ。
その頃から名前の後に卿がついて呼ばれていた。つまりサワギ卿だ。
この名前はカサギ卿が隣国から自国の貴族に婿養子として来る前の名だ。
そして情報を輸出してこの犯行に至ったわけだ。
サワギ卿は以前戦争をしていた隣国との仲を良くする為に政略結婚をして来た。
誰だって祖国に勝った国を簡単に好きにはなれない。
相当この国を嫌ってたんだろうな。
また、血の英雄は国民を散々殺したから入国なんてそう簡単に出来ないが、サワギ卿が金で解決したようだ。
血の英雄の武器も金で何とかしたようだ。
金って素晴らしいな。
金の行き場といえば一番得した入国審査官は金で規則を破ったから、当然彼らはクビだ。
いや、クビだけならまだマシだ。
彼らは街の損害賠償を受けたんだ。貰った金の何十倍だってよ。
ざまあないな。
まあ、そんなこんなで幕を閉じた。
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「リモさーん、見舞いに来たっすよー!」
「よく来たわね。...それと後ろにいる人は帰っていいわよ」
「...帰るか」
「ちょっと待ってくださいって師匠!」
ゼラは目を不等号にして焦りながら俺を引き止めてきた。
「はぁ、ゼラが言うんならしょうがないわ。で、何しに来たの?」
「見舞いだよ」
「仕事は?」
「休んだ」
「じゃあサボりに来たんじゃない」
なんか俺に対して酷くないか?
「なら見舞いも終わったし、仕事するか」
「え、師匠もう行っちゃうんっすか?」
「お前もこい」
ぐい、っとゼラの首を引っ張った。
「ぐえ!?」
「じゃあな」
「早くどっか行ったらどうなの?」
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「ああ、やっと来ましたね」
「またせたな」
「今日は何をすればいいんすか?」
「崩壊した家の再建築ですね」
またか。
「またっすね」
「そうなりますね」
最近いつもこうだ。
建築関係の知識があるってだけで、こんなに骨までしゃぶられるほど働かねばならんのか。
「あ、今日も日没に帰って貰って結構です」
「良かったすね、すぐ帰れるっすよ」
長い!!
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作業はサクサク進んだ。
しかし崩壊した家が多い。
血の英雄以外にも誰か来ていたようだ。
そんなこんなで今日も全てとはいかないが、何件か建てて家に帰った。
「今日も疲れた」
「そうっすね、猫の手も借りたいっす」
「我の手が欲しいのか?」
「わ!?シオンじゃないっすか?!」
「そう驚くな不愉快だ。それと我の手が欲しいと言ったな。貸すのは良いが、我に見合った内容にしてくれ。あと手を切り離さいでくれ」
「ん?そうだ、お前の手を借りるか」
「師匠が言うと本当にやりそうで怖いっす...」
「いや、本当にやる」
「え?!猫に労働させる気っすか?!」
「じゃあ人間似してやるよ」
「主は夢物語を語るのが趣味であったか」
「いやシオン、さっきも言った通り師匠が言ったら本当にやりそうで怖いっす...」
「...ん?」
どうやらシオンも理解したようだ。
勘のいい猫は嫌いだ。
次回は短編になりそうです




