王都内乱編第十章ガーベラ
主人公はやっぱり時を操りたいな〜っと思ってこんな能力にしました。
これは確信的だっ!と思ったのですが、なんと!時を切る剣を持ったキャラクターはVRMMOをモチーフにした作品にもういました...
やらかした...
道のど真ん中に倒れている人が二人、それぞれの横に立っている人が一人ずつ、睨み合っている。
一人は男でもう一人は女だ。
いきなり男が突撃した。
さっきまで距離があったが、みるみるうちに距離がなくなっていく。
「く、!」
女の方は腰辺りから短剣を取り出した。
短剣と言っても、ナイフと言った方が適切かもしれない。それほど小さい。
一発目の攻撃を短剣で防いだ。しかし、男は双剣だ。二本目は守れない。
「肉を切らせて、骨を経つ!」
女、もとデンドロビウムは短剣を持っていない右腕を双剣に食い込ませ致命傷を防いだ。
(このまま短剣を滑らせてやつに当てれば...)
そんな強欲な考えはすぐに不可能だと理解した。
強烈な拳のラッシュが何度も飛んできたからだ。
その速さは腕が何本にも見えるほどだ。
そんな拳が三秒間続いて止まった。
だが、三秒間で十分だったようだ。
残ったのは男が一人だけ。
彼は勝った。しかし笑っていない。
勝ったのに嬉しくないなんて、そんなにイージーだったのだろうか。
そんな時男の後ろから気配がした。
距離は真後ろ。男が振り向くと今までなぜ気づかなかったのか不思議に思うくらい近い。
「!?」
「...やっと驚いた表情を見せたな...」
それはさっきまで倒れていたガーベラだった。
男は逃げようとしたが、もう遅い。ここまで至近距離にこられたら一溜りもない。
そうして男はガーベラの渾身の拳が顔面に強くぶつかった。
だが、それで人は死ぬことはな...
は!?俺は今まで何を!?
何をしたかの記憶はあるが何故やったのか、どうやったのかかが、思い出せない。
時を切る?さっきまでは息をするようにできたのになぁ。
「...やっと目の色が戻ったか...」
おっと、こいつの事を忘れていた。
「お前はこの力の事を知っているのか?」
「私はオカルトマニアじゃない...」
知らないなら知らないって言え。
「そんなことよりまだ戦うのか?」
「この傷では無理そうだな...」
ここ傷とは以前切られた所だ。
とても深く切られていて今動いているのが、不思議な程だ。
「その力は...どうやって手に入れた...?」
「さあな。俺は自分の過去を知らん」
「そうか...だが、その力を見るところ精神的にも肉体的にも変化が起こっているようだ...その力は時には仲間を傷つけるかもしれない...」
「そうかもしれないな。今後敵が来てもこの力を使わずに勝てる奴らばっかりならいいのにな、お前らとは違って」
「そうだといいな...」
「お前そんなにおしゃべりだったか?」
「死に際になれば、誰だって喋りたくなる。一度体験してみるといい...」
「そいつはごめんだな」
「ははは、それは私だって同じさ...」
その後彼女は地面に倒れて、二度と喋る事も立つこともなかった。
これで全員倒したか?
いや、もう一人いたな。サイサリスだ。
やつは血の英雄の中でも最強、リモ達が二人とはいえ、危ないかもしれない。
しょうがない助けに行くか。
次回は「王都内乱編第十一章who I am」の予定です




