力の源
前章は、少し内容をはしょりすぎました。
いきなり「お前を殺す!!」なんて言ってる人はそういないと思います。
なのでこの章はそのことについての、解説になりますね。
つまりうっかり書き忘れました。ミスです。
話は少し遡り、勝敗は決した時の頭の中の話。
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「呆気なかったな」
勝ったつもりだろう。会話を始めた。
「まあ、実際このままだと負けただろうね」
ん?なんだ、今の声は?
血の英雄達の声じゃない。もっと聞き慣れた、それでいて思い当たる節がない。
「俺だよ。俺」
だから誰だよ。
「お前の中にある、違うお前だよ!」
...。
これが二重人格ってやつか...
「半分合ってて、半分間違いだな。その辺は面倒だから後回しで」
一番になる事を後回しにするな。
「一番?お前が今一番大切なのは、やつらをどう倒すかだ」
無茶言うな。もう負けるに決まっている。
「だからさっきも言っただろう、このままだと負けるとな」
じゃあどうすればいい?
「なぁに、簡単さ。魂で叫ぶんだ、お前を殺すとな」
お前を殺す!!
...無駄だな。
「だから、魂で叫ぶんだよ。今のは心の中でそう思っただけだ。それに今回は敵は複数いるからお前らだな、はっきり言ってどうでもいい所だが」
何が違うのかさっぱり分からん。
それに、そうするとどうなるんだ?
「さっきのスター...っと今はリモだったかな?あいつみたいに不思議な力が使える様になる」
胡散臭い、付き合ってられない。
「いいのか?このまま仲間を見殺しにして。いや、お前も死ぬから心中かな?」
...。
「それに今まで捨てに捨てれなかった失った過去を知らなくていいのか?」
自分の過去なんてどうでもいい。俺は仲間を助けたいだけだ。
「自分の過去なんてどうでもいい?口ではそう言ってるけど、本心は違うようだね。それに仲間?都合のいい人間の間違いじゃないのか?」
都合のいい人間?
「お前はただ、自分を知って欲しいだけだ。自分で自分が分からないから他人を介して自分自身を知りたがる、それって自分の都合のためじゃないか。そんなの仲間を呼べるのか?」
...。
「図星だね、そうと知っていながらもう一度聞こう。都合のいい人間の間違いじゃないのか?」
あいつらは...大切な...そう、俺にとって大切な仲間だ!!お前から見たら偽りの仲間かもしれない、あいつらから見たら仲間よりもっと下の関係かもしれない。だが、俺にとってあいつらは大切な仲間だ!!
「...いい目をしている。それにいい覚悟だ。お前ならきっと過去も仲間も手に入れるだろうな」
さっきからなんなんだ。それにお前は色々と俺の事を知っているな。それこそお前は俺の過去を取り戻す鍵なんじゃないのか?
「ははは、そうかもな。だが、俺は消え去った世界の端くれ、再形成された時に上手く欠片を集めれたから今はこうしていられる身だ」
失った世界?記憶の事か?
「どう解釈するかはそっちの勝手だ。さあ、どうする?このまま死ぬか、俺の言うことを聞いてやつらを殺すか、デットオアアライブってやつだ。まあ、あの後だと既に回答が分かりきった質問だがな」
それもそうだな、俺はやつらを殺す事を選ぶ。
「いい選択だ」
だが、俺はお前を信用した訳では無い。利用するだけだ。
「それはお互い様だな。それと...お前が仲間を助けたいのなら、あの二人を仲間だと思っているなら、俺は助けてやる。だが、先に言っておく。ゼラだったかな?あいつは上手く使え、良い駒として使える。そしてリモ、彼女は即刻殺すべきだ」
あの二人は仲間だ。まだ時間はあまりたってはいないし、打ち解けてはないが、大切な仲間だ。
「まあ、そう言うなら、そうしなよ。じゃあ俺はこれで、またな」
そのまま何処かへ行ってしまった。
魂で叫ぶだと?よくわからんし、リモを殺せだの理解不能なやつだった。
しかし、騙されるとしよう。
俺は、俺達はここで死ぬべきではない。
俺達を殺そうとするやつは誰だろうと許さない。たとえ世界を敵にしても。何故かそう思う、そう感じるんだ。
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「そうでしたか」
のんに話してやがる。
こんなやつらに...こんなやつらに、俺やリモ達は殺されなければならいのか...
そんなの...そんなの許せない。許してたまるものか!!
「...ろす」
「ん?何か言ってますよ」
「なんだって?聞こえねぇぞ!」
「お前らを殺す!!」
こうして俺はこの力を手に入れた。
絵に興味があると言いましたが、まずはこの作品のキャラを描いてみたいです。
作者名を変えました。今までは「庭師のユリ」でしたが、「ノバラ」になっていると思います。
それとあらすじも変えました。
次回は「王都内乱編第九章ゼフィランサス」の予定です。




