王都内乱編第三章いつぞやの犯罪者
この「〜編」の必要性がわからくなりました。
「やっと治ったな」
何の事かって?勿論、怪我した腕の事だ。
「やっと治ったのね、遅すぎるくらいだわ。これでやっと私の服を治してくれるのね」
あー、治すのやめよっかなー。
「そういえば、なんで怪我してたの?」
「師匠が怪物から自分を守ってくれた時に怪我したっす」
「ゼラを守る?!こいつが?!」
なぜ守ったんだろうな、今でも分からない。
自信は勝ち気だったが本当に危なかった。
それこそゼラを見殺しにしてもおかしくなかった。
「ゼラはその時は客だ。後払いだったから守らないと金にならん」
「えー...金目的?」
そんな目で見るな。
「そんなことより、早く見回りに行きましょう!」
「ゼラの言う通りだな。無駄話に時間を割いてられない」
「無駄話ってなによ!私の話が無駄ってわけ?!」
「無駄!無駄!無駄!無駄ぁ!」
「きぃぃぃぃ!、喰らいなさい!」
平手打ちが飛んできた。
不幸にもリモが怒った時きぃぃぃぃ!、と奇声を発した事に気を取られすぎた。
結果俺の頬は真っ赤だ。照れたんじゃない。
「早く行くわよ!」
「ちょっと待ってくださいっす!」
次からリモが奇声を発したら、まず顔を守る事にしよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
見回りと言ってもリモは道が分からないが力はある為ゼラと二人行動。
俺は一人で行動する事になった。
小路地に入ったらいきなり事件発生。
「やめて下さい!」
「大人しくしていろ!」
「早くこの女を黙らせろ!」
おやおや、男二人がかりなんて大人気ない。
「物騒な世の中だな。少し一通りが少なかったらこれだ」
「誰だテメェ!」
男のうち一人が振り向いた。
後ろにいたのが俺だと気づいた瞬間「貴様はあの店のクソ野郎!」と叫んだ。
まさか俺って有名人?
ん?この二人組どこかで見たような...
「あ!一昨日の誘拐犯!またしょうもねぇ事してんのか?」
「ふん、まずはお前を蹴散らすか。その女の手足拘束したんならこっち手伝え!」
「了解、兄貴ぃ」
こいつらやる気か?
「そういえばいいのか?こんな所にいて。そこは袋小路になってるぞ?前回みたいに逃げれねぇが」
「ふっ、馬鹿が」幼稚な罵倒だ。
「俺らが逃げるわけないだろ。それにクソ野郎こそいいのか?後ろを見なくても」
後ろ?そこには少し長い剣を持ち、顔を布で隠している集団が数人いた。
「女性に二対一の次は一体十か?」
「逃げ場がないのはお前も同じだ!テメェら殺っちまえ!」
「「あいあいさー!」」
十人か...だが残念な事に道が狭くて一度に二人しか来れない。
反対側も合わせて一度に四人。
しかし敵の動きはアマチュアではないが、達人はおろかプロというまでもない。
俺ならやれる。俺は武器を構えた。
「な、なんだぁ?兄貴ぃ、こいつの武器おかしくないですか?」
「おいクソ野郎、なんだその武器は!」
「見りゃわかるだろ?レイピアだよ」
突きが主な攻撃となる武器。
多少は使い方を心得てるから大丈夫だろ。
「喰らいやがれぇ!」
誘拐犯Aの剣による雑な大振りだ。
対して俺は突き。
こんな小路地で大振りなんてけしからん。
味方や壁に当たるぞ?
「うお!あぶねえだろ!」
あらら、誘拐犯Bが怒っちゃった。
「うるせえ!俺があいつを倒すんだ!」
あーあ、仲間割れだ。
だがその隙を逃さない。
俺は誘拐犯Aに突きをお見舞する。
「痛えぇ!」
流石に殺さない、戦闘不能にするだけ。
殺すと色々と面倒だからな。
反対側はどうなっているかって?
俺が後ろにいる八人側に突撃したから、まだ少し離れている。
「このやろう!」
冷静さが欠けたらもうこっちのもの。
順番に、確実に、七人を戦闘不能にした。
といっても手足に数回突いたくらいだがな。
あと一人、っと思ったが後ろの二人がやってきた。
そっちを先にやるか。
次回は「王都内乱編第四章」の予定です。




