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よくもまあこんなことを想像できますね

新年度の準備でバタバタしていて更新が遅れました。

色々と忙しくなりますが、投稿していきたいと思います。


勝った。うん、勝った。あのアーサーに勝った。え?これって超すごくね?

我が事ながら誇らしいわ。


アーサーはアーサーで座り込んで笑っていた。そして少し寂しそうにも見えた。

なぜだ?と俺は疑問に思うのだが、俺の願いを伝えていなかったことに気付いた。


「さてと、それじゃあ俺の願いを聞いてもらおうかな。」


「ああ、完敗だったしな。遠慮なく言ってくれ!資金か?食料か?俺ができることは全てしよう!」


本当に心の底から良い奴なんだなと思った。

まったく、かっこいいやつだ。

俺が女を好きじゃなかったら惚れていたんじゃないかとも思う。


まあ、俺は女が好きなので、惚れはしなかったが。


「俺の願い、それは…」


アーサーがゴクリと唾を飲み込み喉を鳴らす。


「アーサー、一緒に冒険に出てくれ!」


「へ?」


ん?俺、何かまずいこと言っちゃったか?

いやいや、そんなはずはない。これはものすごーく理に適った提案である。


俺一人じゃ怖いもの、そりゃ俺より強い人にご一緒してもらえば安心じゃん?


俺の願いを聞いたアーサーは再び笑いだした。


「ハハハハハハハハハ、そうかそうか。よし、わかった。約束は約束だ!俺も一緒に行こう。」


そこから俺たちは様々な準備を始めた。

簡単に冒険に出ると言っても、歩いて大荷物を運ぶのは面倒だし、この世界に車なんて便利なものはない。

だから、馬を買い、馬車を買い、テントや武器、その他諸々を買い揃えた。


そしてアーサーと住んでいた家を冒険に出る日に売るため、掃除なども行った。


ただ、山奥という立地から中々買い手が決まらず苦労もした。


まあ、何もかも上手くいくなんてことは無いと考えていたから、対して困ったりもしなかったけど。


よくよく考えてみたら、俺いきなり山奥に降ってきたんだな。人が下敷きにならなかったら、下手すれば死んでたんじゃないか?

と恐ろしいことも考えてしまう。いかんいかん、生きてることに感謝しよう。そして、お世話になったこの家をピカピカにしよう。



そんなこんなで数ヶ月が過ぎた。人生をかけた冒険に出るのだ、思っていたよりも早いくらいだ。


最後に扉に鍵をかけ、購入してくれた貴族から受け取った書面を貼り付ける。


そして愛馬によろしくと告げ、俺たちは冒険に出発したのだ。


ちなみに、愛馬の名前は俺が異世界に来る前に働いていた会社の上司、山田さんから名前を借りて、山田さんと命名した。

これからよろしく頼むよ、山田さん。

あ、ちなみにオスである。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


畦道を馬車に揺られながら進む。この世界の地理など俺は知りはしない。グー〇ルマップも無いし、アーサーに任せて俺は荷台で風景を楽しんでいた。


次の街ではどんな出会いがあるのだろうか。

剣士のアーサーに出会ったのだ、魔法使いのマーリンなんてのも居るかもしれない。

いや、居てほしい。

そんな希望を胸に、異世界に来て初めての山以外の景色を楽しんでいた。


あと、予想はしていたが、ケツがとても痛いのである。



馬車の荷台から顔を出し、御者をしているアーサーと話していると色んなことが聞けた。


アーサーは昔冒険者をしていたそうだ。そして20代前半、その実力を買われて、王宮騎士になり、色んなことがあって俺と出会う1年ほど前に昨日まで住んでいた家を買って生活していたと言っていた。

それにしても王宮騎士か…。何ともかっこいい響きである。

ん?待てよ?てことは、アーサーってやっぱりめちゃくちゃ強いんじゃね?そんなアーサーから形はどうあれ1本取れた俺ってすごくね?


と、自画自賛を心の中で盛大に行った。


そんなこんなで山を出てから1週間、特段急いでいたわけでもないので、のんびりと旅路を楽しんでいた。

慣れない野宿と馬車で体を痛めたり、途中出くわしたギガント・コングの群れに驚いたり、それを全て倒せといきなりアーサーに言われたりと、大変なことは多かったが楽しく過ごせていた。


そしてついに、俺たちは山を出て最初の街に到着した。

一応、山からすぐの所に村はあるのだが、アーサー曰く、大きな街で冒険者ギルドに行き、ギルドカードを手に入れて置いた方が良いと言うことであったため、初めに街を目指したのだ。


この辺は、俺が知ってる異世界の知識と同じであった。

異世界ものの物語を書く人は、よくもまあこんなことを想像できるな、なんてことも思っていた。


街に到着した俺はその大きさに圧倒されていた。


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