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4/6

強すぎだよ、本当に。

仕事がバタバタしてたので投稿が遅れました。


木刀がぶつかり合う音が鳴り響く。

俺は死ぬ気の猛攻を繰り広げているが、アーサーは軽くいなしてくる。


あー、やばい。勝てる気がしない。無理だこれ。

なんて弱音を吐きそうになる所をぐっと堪えて、攻撃を仕掛ける。


単純な剣術の勝負なら、俺は絶対勝つことなんてできない。が、俺は全てをもって、アーサーに勝利するのである。


そう、密かに練習していた魔法も駆使するのだ。


俺は木刀を両手持ちから片手持ちに変え、勢いよく突っ込んだ。

「うおおおおおお!!!!」


「万策尽きたのか?闇雲に突っ込んできても、無駄だぜ?」


俺が魔法を使うとは思っても居ないのだろう。アーサーは突っ込む俺を正面から迎え撃とうとしている。


やるならこのタイミングしかない。

異世界転生ものや、その他バトル系アニメでよく活用される虚を着く攻撃。


実際に通用するのかは知らんが、これしかない。

俺は突っ込みながら、左手を前に出した。


「うおおお!!!ウォーターボール!」


俺は小さな水の塊を目の前に出した。


アーサーは見事に虚をつかれたらしく、俺が出した水の塊を木刀で叩き割った。


それと同時に俺は左足でアーサーの右スネを蹴る。

アーサーは何とか踏ん張るが、隙ありだ。

俺は思いっきり木刀を振り抜いた。


決まった。と思った俺が馬鹿でした。そんな都合よく行くはずもなく、俺の渾身の一振はあっさりと受け止められてしまった。


「魔法で虚を着くところまではよかったんだがな。焦りすぎだ。」


ぐぅのねも出ないとはまさにこの事だろう。

アーサーの言う通り、俺は焦ってしまった。


さて、これからどうしたものか。アーサーに同じ手は通用しない。


俺はどうにか一旦距離をとることに成功した。

今のところ、攻めているのは俺だが、アーサーがいつ仕掛けてくるかもわからない。



ならば、と策を練る。

俺はひたすら水の塊を出し続けた。

「ウォーターボール!ウォーターボール!!ウォーターボール!!!ウォーターボール!!!!ウォーターボールゥゥウウ!!!!!」


日頃の成果であろう、思っていたより魔力が切れなかった。


だが、闇雲に放ったウォーターボールはアーサーを捉えることはなく、辺りに着弾するばかりである。


「やけになったか、ペーパー!もうそろそろ決めさせてもらうぞ!」


アーサーはそう告げると、構え直し、技を出す準備に取り掛かる。


それでも尚、俺は水の塊を出し続ける。

途中何度かアーサーを捉えたが、当たっても意に介さず、技を出そうとしている。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ペーパーはかなり成長した。その中で様々な機転が利き、僅かながら追い込まれてしまった。

だが、まだ負けるわけにはいかない。個人的な理由だが、それを伝えるとペーパーはどこかで優しさが出てしまう。


だからこそ、実力で阻止するのだ。

俺は不器用だから、魔法は生活する為に必要最低限のものしか扱えない。


魔法の分野でペーパーに教えてやれることはほとんど無いに等しい。それでもペーパーは密かに鍛錬し、俺を追い込んだ。


ならば俺も持てる力の全てを駆使して、応える。ペーパーのウォーターボールの精度が上がっているが、気にする事はない。


所詮はただの水の塊。威力もそれほど強くはない。


「行くぞ、ペーパー!これが俺の渾身の一撃だ。セイクリッド…」


そこで異変に気付いた。石だ。水に混ざって石が飛んできたのだ。


本来ならば気にするはずもなかった。しかし、いきなり飛んできた石に本能的に反応してしまった。


しまった。そう思った時には既に遅かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は闇雲にウォーターボールを放った。フリをしたのだ。これまで見てきたからこそ、アーサーなら必ず避けると信じて。


俺がウォーターボールに混ぜて投げた石にアーサーは反応した。


アーサーがしまったと思った瞬間には、俺は木刀をアーサーの首元に当てた。


多分、今後100回すれば100回負けるだろう。今回限りの作戦で俺は辛勝した。


辛勝と言っていいのかもわからないけども、そういうことにしておこう。


にしても、強すぎだよ、本当に。


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