美少女幼馴染み令嬢に何故かいじめられています!
キンコーンカンコーン。
ここは異世界某所。休み時間を知らせる音が鳴った。大半の学生の気分が高揚する中、一人の学生だけは憂鬱そうにしていた。
その学生とは「マグマダ•マグオ」……よく日に焼けていて、実に男らしい学生である。しかし、彼は普通の学生とは少し違っていた。彼はクラス内で孤立しているのである。
彼は周りの学生達が話している芸能人やゲームといった話題について行けない……興味がないといった方が正しいか。その上、話すのも得意ではないため所謂ぼっちになってしまったのだ。
それだけならまだいい。しかし、それをよく思った柄の悪い輩に目を付けられてしまった。
「おいマグオ!てめぇまだウガンダに帰ってなかったのかよ!」
「سامراا ... اور کنکال ...」
「何言ってるかわかんねぇんだよ!このよそもんがぁ!」
「やめとこうよジャイアント武士君、こんなやつと喋ってたらジャイアント武士君までケニァ人になっちゃうよ」
孤立したマグオはストレスの捌け口にいいと、いじめられているのだ。そのいじめの主導者がこの二人である。口汚く、スラングで罵っているのはジャイアント武士。ガタイのいい大男だ。同調している骨はスケルトン音央、取り巻きだ。
「本当に最悪だぜ!こんな奴がいるなんてベアー•ブック県の汚点だな!!!」
「全くだよ!ハッピーヒルの奴らに知られたらなんて言われるか!」
「اسے روکو ... ایسا مت کہنا…روکو اسے」
マグオは二人にやめてほしいと懇願するが……二人はまるで聞こえていないかのように懇願を無視し、いじめ続ける。マグオがいつものように諦めかけた……その時。
「おっぼっぼっぼ!!!や!め!で!さ!じ!あ!げ!で!よ!ぉぉぉお!」
珍しく助けが入ったとマグオは顔を上げる。……しかし発言主を見たと同時にまた意気消沈する。
「なんだうるせぇぞ!」
「が!わ!い!ぞ!う!で!ず!わ!!!!どうぜ言葉!なんて!文化も!ろぐに!ない!部族に向かって!ええええぇぇぇぇぇえぇええええ!!!」
「ははは、確かに違いないね!」
割って入ってきたのうるさい女子。時たま、マグオを男達と一緒になっていじめてくる女だ。大財閥の令嬢らしい。
「部族は!部族らしぐ!狩りでも!じでみなざいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ناچ کیا ہے؟ میں جاپان کے بارے میں کچھ نہیں جانتا」
マグオは必死に許しをこうが、抵抗虚しく3人のいじめは加速する……。そして遂には一線を越えてしまう。それは若さ故の過ちか……。
「お前なんかマグマに落ちて死んじまえ!!!」
ーーーーーーーーー6時間後
麻生山、山頂の火口。完全防護服に身を包んだ3人と、裸体のマグオ。
「……」
「……」
「یہ کہان ہے؟ کیا یہ ماؤنٹ فوجی افواہوں میں سنا ہ」
さすがに6時間もいじめ抜いて疲れたのか、ジャイアント武士もスケルトン音央も無言である。
「かごうにぃ!!!づきおどじでやりまじょうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
うるさい女子だけははうるさいが。
「……」
「……」
二人はその言葉を聞いてマグオを火口の淵まで押していく……。
「!?!?!?」
マグオは必死に振りほどこうとするが、流石に二人には勝てない……。
「はい!ドッキリ大成功!」
ゲシッ!
蹴り落とされるマグオッッッ!!!
…………ジャボンッッ!!!
「یہ گرم ہے ... گرم ہے ...」
マグマに突き落とされたマグオはとてつもない熱さにもがき、手足をバタつかせる。
その様子を見てか、再びジャイアント武士とスケルトン音央は声の調子を取り戻し始める。
「あははは!マグオ!許してくれ!なかなか馴染めないお前のために用意したドッキリなんだ!」
「そうそう!どこかマグオは態度が硬かったからな!それだけはっちゃけられたらすぐに皆んなと仲良くなれるさ!」
「まぐおぐん!だのじぞうでずわ!!!」
そんな3人の善意や声も、千度を越える灼熱に身を焦がすマグオには届かない……。
「یہ گرم ہے ... گرم ہے ...」
「おーい!マグオ!そろそろ引き上げてやるからな」
そういってジャイアント武士が近づこうとしたその時、ばたつかせていたマグオの手足からマグマの塊が飛び散った!そして不運にもそのマグマはジャイアント武士に直撃し……。
「………………?……ッッッガァァァァァァァァァッッッ!???ヒッッッッ………!!!ヒュー!ウッ………ッッッあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「!?ジャイアンドだげじぐぅん!?!?」
付着したマグマは瞬く間にジャイアント武士の体を溶かし、生命活動の維持を不可能にする。
それをみてパニックになるうるさい女子!すでに足を滑らせて死んでいるスケルトン音央!
「آہ ... گرم تھا」
マグオ仕方ないので一人で火口に上がった。