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シャノン「ロックさんの背中は私が守ります」ラッキー「まずは私を倒してからにしろ」対決⁉

 聖獣の箱庭の中に俺の知らないダンジョンができるとか。

 まだできたばかりだから強い魔物はいないだろうが。

 どうしよういきなり襲われたりしたら。


「シャノン、ちょっとラッキーと外で待っててくれ。俺がこのダンジョンへ潜ってくる」


「ロックさん私も行きますよ。ロックさんの背中は私が守ります」


『グハハハ私を差し置いてロックの背中を守るなんて100年早いわ! まずは私を倒してからにしろ』

 ラッキーが悪役風にシャノンの前に立ちはだかる。


「ラッキー……そんな悪者風に言ってもシャノンに聞こえてないからな」

 シャノンは一瞬キョトンとしてから頬を膨らませる。


「もう!ロックさんとラッキーさんだけ楽しそうでずるいです。私もラッキーさんと話したいです」


『なんてことだ。せっかく仲間になったのに。ロック―なにかそういうスキルないのー』

 

 シャノンは少し寂しそうにしており、ラッキーは甘えたように言ってくる。

 そんなことを言われても今覚えているスキルではない。


「俺も、ラッキーとシャノンが話せたら便利だとは思うけどな。今は難しいな」


「パパ―おかえりーそんなの簡単だよー」

 俺が降りて行こうとしたダンジョンから、頭にティアラを付けたオレンジアントが上がってきた。


「えっ、オレンジアントが話してる?パパ?オレンジアントって本当にあのオレンジアント?はぁ、ロックさんはそういう方向の趣味が……情報が多すぎて……でも仕方がないですね」


 なぜかシャノンは自分で言い出し自分で納得している。

 いや納得されてはいけない部分で納得されている気がする。


「シャノン、オレンジアントがパパって呼んでいるけど、卵が割れる時に立ち会っただけだからな。変な誤解しないようにな」


「あっですよね。すみません」


『あら、あなたの帰りが遅いから私もてっきり』


 ラッキーがオレンジアントを仲間にした時と同じボケを入れてくる。

 ラッキーめ!俺がいつまでも言われたままだと思うなよ。


 俺はラッキーの首筋に抱きつきガシガシと撫でてやる。

 ほら、ここが気持ちいいんだろ。ここが。


『クゥーン』

 ラッキーをなんとか屈服させてやった。

 はぁはぁはぁ。まったく話が進まん!


「2人だけ楽しそうでずるいです」


「シャノンもラッキーは首筋がなでられるのが好きだから後でなでてやるといい。それよりも……」

「そうなんですね。やってみます」


 シャノンはすごく楽しそうに明るい顔になっている。シャノンが嬉しそうな顔をしていると俺も嬉しくなってくる。


 オレンジアントの言葉をシャノンもわかっている。そうだとするとオレンジアントが俺たちに言葉を合わせてきたってことだ。


「シャノンがお前……まずはティアラ付きに名前つけないとだな。お前とか呼ぶのも悪い気がするし。オレンジアントって呼ぶのもな。この中でこれ以上人数は増える予定とかはある?」


「パパー名前嬉しい! 増やしていいならドンドン増やせるよ。私たちは上には上がらなくて大丈夫だから他の従魔さんの邪魔をすることもないよー」


「襲ってきたりはしないよな?」


「パパは仲間を襲うの?」

 首をかしげながら俺に聞いてくる。


「いやその質問は俺が悪かった。俺も仲間は守るもので襲わないよ。それなら少しずつ増やしてくれ。よし名前をつけよう。じゃあ君の名前は……パトラだ」


「やったー! 名前もらったパトラって良い名前。彼らにも名前をつけてあげて」


 いつの間に上がってきたのかパトラの後ろから5匹のオレンジアントが階段を上がって来ていた。パトラの部下5人はまったく見分けがつかない。


「パトラ悪い。まったく見分けがつかないんだけど見分け方あるのか?」


「えーこんなに違うのにーわからないの?」

 いったいどこがどう違うのかまったくわからん。


 これから増えていくことを考えると本来なら全員に名前を付けてやりたいが、1000匹とかになった時にやっていられない。


「じゃあオレンジA、オレンジB、オレンジC、オレンジD、オレンジEだ」

 オレンジアントたちは嬉しそうに両手をあげてハイタッチしている。

 個性がないのかと思っていたが意外と個性があるようだ。


 まぁ特徴がでてきたら別の名前をつけてもいい。


「それでパトラ、シャノンとラッキーを話せるようにするにはどうしたらいいんだ?」

「それはねー多種族言語っていうスキルがあるから覚えればいいんだよー」


 なるほど、そんなスキルがあるなら非常に便利だ。

 だが、それをいったいどうやって覚えるのかが問題だ。


「それはどうやったら覚えられるんだ?」

「もう大丈夫だよーラッキーさんは言葉わかるみたいだから私の多種族言語コピーしてシャノンさんのスキルに貼り付けたよー」


『シャノン私の言葉わかる?』

「えっ⁉ すごい!! ラッキーさんの言葉がわかります。パトラさんありがとうございます」


 シャノンがラッキーに飛びつき嬉しそうにしている。


「パトラ今のは何をしたんだ?」


「あのねー私って他のアントと違ってて一族を安全な場所に導く使命があったの。だから他の種族との交渉とか指揮とか系のスキルがあるんだーここではほとんど必要ないけどねーその中の一つに多種族言語っていうスキルがあるのーこっちがわかっていても相手がわからないと意味がないからねーそれをコピーして貼り付けることができるからシャノンに貼り付けたー」


「パトラすごいな」

 パトラの頭をなでてやると嬉しそうにキャッキャッ言っている。


「パトラこの下を案内してくれるか?」

「もちろんですー」


 地下に降りて行くとダンジョンと同じようにほんのり明るくなっている。

「あっちが冷暗所になっていて解体した肉が置いてあるよー反対側は逆に乾燥室で毛皮を乾燥させてるよーあとそっちがー穴を掘っている時に魔石がでたからまとめて置いてあるー後は空室が3つあるよー適当にやっててって言われたから適当に作ったけどー大丈夫ー?」


 そこにはしっかりとした作りのダンジョンが出来上がっていた。

 たった数時間でこんなのを作ってしまうなんてオレンジアントたちが優秀すぎる。


「すごいな。まさかこんな短時間でこんな風にできるなんて思ってなかったよ。パトラたちは優秀なんだな」


「へへへっパパに褒められたー」

 オレンジアントたちがまたハイタッチをしている。

 その後ろでラッキーがぐぬぬとか言っていたが気にしないことにする。


「それじゃあ肉もあるみたいだしご飯にするか」

「やったー!」


 みんなが歓声をあげるなか、俺はふと不吉なことを思い出す。

 あれ調理器具とかって全部……。

ラッキー「いよいよご飯だね」

ロック「美味しいご飯を作ろうね」

スカイバード「ぐすん。僕だけはぶかれてる」

ロック「ごっごめん」


たくさんの応援本当にありがとうございます。

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あなたの応援のおかげで週間で4位になれました。

本当にありがとうございます。

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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