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ギルドで新しい依頼を受けてみる

「ここにくるのもだいぶ久しぶりな気がするな」

 王都の冒険者ギルドは前に来た時よりも人が多く活気に溢れていた。


 俺とパトラははぐれないように手を繋ぎながら掲示板を見にいく。

 沢山の依頼があるかと思っていたが……討伐依頼はすべてなくなっていた。


 王国騎士団が操られていたせいで一時的に地方へ行っていた冒険者たちが戻ってきたのだろう。


 なんだかんだいいながら、王都が一番稼げるのは間違いない。

 人が集まるところには経済が発展し、経済が発展すれば、多種多様な人が集まることで仕事もどんどん増えていく。


 お金に余裕がでる人が増えれば苦手なことや、やりたくないことへお金を使う人も増えるため雑用の仕事もどんどん増えていく。


 どうやらシャノンたちを少し遠くに送り出したのは正解だったようだ。

 このままいけば、この辺りの魔物の数はかなり減ってしまうに違いない。


 ただそうなると……。

 俺の中で一つの考えが浮かぶ。 


 一時的なものかもしれないけど、野生のオーク肉とかも減ってくる可能性がある。

 需要が増えて流通が減るところにはチャンスがやってくる。

 それなら、チヨウシの村で魔豚の養豚をするのも良さそうだ。


 美味しいキャベッツだけを食べさせたキャベッツ豚なんていうブランド魔豚を育てるのも楽しそうだ。

 あとでチヨウシノ村の人のところへ顔をだした時にでも提案してみよう。


「パパー、面白そうな依頼あるかなー」

「そうだな。討伐依頼もないみたいだし、処理の間に会っていない依頼や他の人がやりたがらない依頼とかあればそれを受けようか」

「はいです! パパーこれはー?」


 パトラが指さしたのは雪茶の納品依頼だった。

 この辺りでは非常に高価な物だ。

 自分たちの在庫はまだあるし、それに箱庭の中で栽培も可能なら定期的に王都に卸してもいい。そのためにはまずは優良な顧客へ宣伝するのが一番だ。

 依頼先は……王都にいる伯爵らしい。


 あまり貴族の面倒ごとには巻き込まれたたくはないが、雪茶を届けるくらいなら問題はないだろう。聖獣使いの能力はできるだけ貴族には知られたくない。


「よし、じゃあこれの依頼を受けようか。他には……」

 掲示板を見てみるも、他にたいした依頼は残ってなかった。

 俺たちは雪茶の納品依頼を受けるために受付をする。


「ロックさん、お久しぶりです! 最近王都で見かけなかったので心配していたんですよ」

 受付はいつも安定のリッカさんだった。


「ちょっと、遠出していてね。でも、未達成の依頼が減っているようで良かったよ」

「それがそうでもないんですよ。冒険者が戻ってきたのはいいんですけど、今度は依頼が減ってしまって」


「依頼を処理できることは嬉しい悩みじゃないの?」

「最初は嬉しかったんですけどね。冒険者が増えても仕事の斡旋ができないと治安の悪化にも繋がりますし。ロックさんがいないと大きな問題も起きないから退屈で」


「まるで人を疫病神みたいな」

「そこまではいってませんが、やっぱりやりがいとかドキドキワクワクする仕事って大事ですよね。問題が起こらなくなって、私じゃなくてもできると考えると、このままでいいのかなって。できるなら、私もロックさんの冒険に一緒に行きたいです」


 リッカさんが珍しく仕事にやる気がでないようだった。

 でも、顔色は今までで一番いい。


 人間とはとても複雑なもので、簡単な作業だけよりも問題があることでやりがいを得る人もいる。

 仕事への取り組み方は人それぞれだ。


「リッカさんがいなくなったら冒険者ギルドが回らなくなりますよ」

「そうなんですけどね。後身育てるのも上手くいってないし」


「新しい人、入らないんですか?」

「入りはするんですけど、なかなか辞めていく人も多くて。ある程度強さがないとダメなんですよね。この際、受付を男性でもいいって言っているんですけど。なかなか難しいです」


 どこかにいい人材がいないかと思ってみるが……今のところ紹介できる人材はいそうにない。

 腕っぷしがよくて働いていない奴はだいたい冒険者になっているからな。


 リッカさんだってまだ冒険者として活躍できないわけではない。

 退屈だというのもわからなくはない。


 ただ、このままにしておくと本当について来ると言いかねない。

 嫌なわけではないけど、リッカさんを狙っている冒険者も多いことを考えると……。

 別の対策も考えておこう。


「どこかでいい人がいないか探しておくよ」

「お願いします。あっチヨウシノ村からお金預かってますが、今渡しても大丈夫ですか?」


「あっそういえばあったね。そのお金はそのままチヨウシの村の発展に使いたいから預かってもらっていいですか?」

「そしたら割魔法陣発行しておきますね。受け取る人に渡してもらえればいいので」


「さすがリッカさん。仕事が早くて助かるよ」


 そのままリッカさんに受付もしてもらい、市場へと向かう。

 久しぶりにチヨウシノ村の出店にも後で顔を出しておこう。

 どんな感じになっているか情報収集しないと。

幼馴染のS級パーティーから追放された聖獣使い。万能支援魔法と仲間を増やして最強へ!

漫画版4巻が本日発売になります。

ぜひお近くの書店、電子書籍などでお求め頂ければと思います。

挿絵(By みてみん)

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