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紅桜というドラゴン

「ガーゴイルくん魔人だったのか?」

 思い出してみると、ガーゴイルくんはギーチンが雪結石を掘っていたところにはいたが、ドラゴンの洞窟へは連れていかなかった。


「いや、僕もこの100年間掃除しかしてなかったんですけど、全然覚えてないですね」

『まじでか……お前はエンド平原の石の魔人だよ。記憶を封印されてしまったのか。たしか一時は魔王と呼ばれていたり、別名もあったりしたが……』


『ちょっと待て、ドラゴンもガーゴイルくんもエンド平原にいたってことなのか?』

『あぁ、俺たちはクヌムが来るまでエンド平原にいたんだ。そこのフェンリルの一族もだぞ』


 ゴロゴロとお腹を上にして転がっていたラッキーが急に身体を起こす。

 思わず苦笑いしてしまった。完全に飽きている。


「ラッキーも知っているのか?」


『あぁ、私たちの一族もエンド平原出身だぞ。ただ、ドラゴンのように人間と仲良くなんてことはなかったけどな。私たちはいきなり襲われて捕まり世界中のダンジョンに封印されたんだ』


「そいつらはいったい何をしたかったんだ?」

『世界のバランスを整えるって言っていたが、それ以上は私たちにはなんの説明もなかったな。私もまだ小さかったが、とにかく強かった。それこそ、圧倒的な強さだった』


「ラッキーたちは生まれたところに帰りたいと思っているのか?」

『私は……そうだな。まだ生き残った仲間がいるなら会ってみたいが、多分それは無理だろう。ロックが規格外だとは言ってもこのメンバーではあそこの入口にすら立てないぞ』


『そうだな。入口付近の魔物が相手でも死んじゃうだろうな』

「でも、外にでているのがラッキーと俺だけならいけるんじゃないか?」


 話している途中でラッキーがいきなり、ドラゴンへと嚙みついた。突然のドラゴンからの殺気に俺は動けなかった。ラッキーは口で咥えたままドラゴンを投げ飛ばす。


『ロック、回復薬をドラゴンに与えてやってくれ』

「今のは何をしたかったんだ?」


『私たちを試したかったんだろ』 

 俺は回復薬を取り出すとドラゴンへ投げてやる。


『常に今のような殺気に見舞われると思った方がいい。反応できたのはそこのフェンリルだけなら行かない方がいい』


 ドラゴンは器用に蓋を開けると一気に回復薬を飲み干した。

『うまいな。こんな回復薬飲んだことないぞ』


「あぁ、俺特性のイチゴ味だからな。それでも、ラッキーが行きたいなら行こう」


『本気で言っているのか? そこのフェンリルのためにお前が命をかける必要なんてないだろ。人間では強い方みたいだが、それでもあの場所では死ぬぞ』


「命をかけるなんて思っていないよ。だけど、ラッキーが里帰りしたいなら協力するのが普通だろ? 俺たちは行きたい場所へ行くんだ」


『だから言っただろ。ロックは超がつくお人よしなんだよ』

『バカだろ。そんなんじゃいくら命があっても足りないぞ』


「人生は一度きりだからな。無理だと言われていることにチャレンジしないで諦めるくらいならチャレンジした方がいいと思うんだ。もちろん死ぬつもりはないけど。ダメならラッキーと一緒に逃げ帰ってこよう」


『そうだな。それに危なければ箱庭にずっと隠れて生活するって方法もあるからな』

『はぁ、本当にバカの周りにはバカしか集まらないというが、お人よしバカの周りにはお人よしばかりか。わかった。俺も連れていけ』


【古の深紅のドラゴンが仲間になりたそうにしています。仲間にしますか?】


 頭の中に声が響く、もちろん断る必要もない。

 そしていつもの箱庭の拡張を促す声が頭の中に響いてきた。


 特に目新しいものはなかった。畑や果樹なども今は自力で増やすことができる。

 鉱山は魅力的だが……今回はドラゴンの意見を聞いてみることにした。


「ドラゴンはどこで眠るんだ?」

「俺か? 洞窟とか作ってくれるとありがたいな。他の魔物の気配があると眠れないんだ」


「子供か!」


 他にも希望があるか話を聞いてみたが、ドラゴンのことを優先して雪山に洞窟を設置した。

 必要ならパトラに言って小屋を増築してもらってもいいだろう。


「よろしく頼むよ。そう言えば名前は?」


『俺の名前か? 聞いても驚くなよ。かの有名な深紅ドラゴンで有名な紅桜だ』

「べにざくら……?」


 念のために他の仲間の顔を見ると、ほぼ全員が首をかしげる。

 その場で一緒に話を聞いていたドモルテだけは、あっという顔をした。

幼馴染のS級パーティーから追放された聖獣使い。万能支援魔法と仲間を増やして最強へ!

3巻が2021年12月24日(金)に発売になりました。


小説版にしか掲載されない特別読み切りはもう読んでもらえたでしょうか?

ロックがベットの上に転がされ、まわりでみんなが寝ているあの挿絵とても好きです。


ロックの何とも言えないあの顔が見ているだけでニヤニヤしてしまいます。


【みてみんメンテナンス中のため画像は表示されません】


パトラ「パパー、クリスマスプレゼント欲しいです」

ロック「何が欲しいんだ?」

パトラ「雪結石のブローチ」

ロック(そこは3巻の宣伝じゃないのか)


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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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