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『強いていうなら、孤独な仲間を探しているんじゃないか』

 ドラゴンが大きなあくびをして、今まで自分をしばっていた魔力についても興味がなくなってしまったように、手元で雪だるまを作り出している。


 元々細かいことを気にしないタイプなのだろうか。

 呪いが細かいことかどうかは別問題だけど。


「なんで聖獣使いだって知っているんだ?」

『昔、俺のじいちゃんが聖獣使いと一緒に旅をしていたんだよ』


「そうなのか!? 俺の前にも聖獣使いがいたんだ……。そんな記録残っていなかったから、ビックリだ」


『当たり前だろ。聖獣使いなんてそれでなくても珍しいわけだし、その頃は世界中で戦争していたらしいからな。ドラゴンを仲間にしたなんていったら、あっという間に洗脳されて、死ぬまでこき使われるのはわかっていたから逃げたんだろ』


「そんな感じだったのか。もし良かったら仲間になるか? 眠るだけなら箱庭の中でも寝かせることができるぞ」


『グハハハッ人間の仲間になんてなるか。俺は自由を愛している眠りの王者だ』


「そうか。それは残念だな」


 眠りの王者なんて聞いたことがないが、ツッコミをいれた方が良かっただろうか。今まで一方的に怖がっていたものの、ドラゴンだからといって話しにくいなんてことはなかった。


 俺たちが山頂で雑談をしていると険しい表情をしたパトラたちが箱庭からでてきた。村の方が片付いたらしい。ドラゴンと戦うつもりで急いできたようだが、俺が普通に話をしているのを見てパトラは笑い出していた。


「ハハハ、パパー! すごいね。ドラゴンさんとも仲良くなれるんだね。村の人たち全員助けてきたよー。パパの回復薬飲ませたから大丈夫! あとパパーが使った水魔法すごいねー! 家が全然壊れてなかった。火だけを消すなんてあんなの普通できないよー」


「おかえり、パトラ。とりあえずドラゴンの方は大丈夫そうだよ。俺もあの水は不思議なんだよ。なんであんな風になったのか謎で」


「パパでもわからなかったのかー。ドラゴンさんは仲間になるの? よろしくね!」

「いや、このドラゴンは自由に外で暮らしたいらしいんだ」


「そうなのか。残念だねー」

 パトラとそんな風に和やかに話していると、ドラゴンが話しに入ってきた。


『ちょっと待て、ドラゴンだぞ。普通ならここで何としてでも引き留めて仲間になってくれって頭を下げるのが普通だろ。あっさり受け入れすぎだから』


「いや、うちにはラッキーもいるし他にも仲間がいるからな。基本的に駆け引きもしなければ来るもの拒まず、去る者は応援だから。嫌々仲間になってもらってもギクシャクするだけだからな」


 続々と箱庭経由で仲間たちが戻ってきた。

 それを見てドラゴンが唖然としている。


『なんなんだ、お前らこの世界を支配するつもりなのか?』

 俺が答えるより前にラッキーが答える。


『ロックはただ普通に旅してるだけだぞ』

『そう言って世界征服とか』

『ないな』


 ラッキーはもうのんびりモードになったのか、横になりながら尻尾をパタン、パタンと動かしだした。くー余裕がある時だったらラッキーにそのまま抱き着きたい。


『国を蹂躙するとか』

『それならここにいないだろ』


『女性を囲ってハーレムとか』

『それは否定できないが、チキンだから手をだしているのを見たことがないぞ』


「本当それですよ」

「もう少しそこは勇気があってもいいですね」

 口々に女性陣から文句がでるが、世界を滅ぼしかねないドラゴン相手に俺の恋愛トークをするつもりはない。


「ラッキーへんなことを言わないでくれ。健全なだけだから」

『なんのために旅をしているんだ?』


『強いていうなら、孤独な仲間を探しているんじゃないか』

『孤独な仲間……?』


 ドラゴンはそういうと何かを考えるようにグヌヌヌとうなりだした。


『私を孤独な世界から引っ張り出してくれて、それからは色々と仲間にしているけど、世界中の一人ぼっちの奴を集めているんだ。本人はどう思っているか知らないけどな』


『そんなことをして奴になんのメリットがある?』

『メリットなんか考えてないさ。ロックは目の前に助けを求める奴がいたら、人間だろうと魔物だろうと手を貸さずにはいられない性分なんだよ』


『そんなお人よしいるわけがないだろう。人間だぞ。人間なんてすぐに裏切るんだぞ。お前だって騙されているんじゃないのか』


『クッカカ、騙されているか。そうだな。ロックになら騙されてもいいな』

『バカなのか、お前の力だけを狙っているのかもしれないんだぞ』


「ドラゴンさん、パパはお人よしだからそんなことないよ」

『お前はまだ小さいからそんなことを思うんだ』


「どうしてそんなに人間を信じられないの?」

『いいだろう。どれだけ人間がひどいのかお前たちに教えてやろう』


 みんな好き勝手に話しているが、ドラゴンが過去の自分の話をしてくれるようだ。

 スイジュ国の連中も捕まえたようだし、少しくらいなら大丈夫だろう。

幼馴染のS級パーティーから追放された聖獣使い。万能支援魔法と仲間を増やして最強へ!

いよいよ明後日3巻が2021年12月24日(金)に発売になります。


今回は特典にショートストーリーをつけることができました。

ほのぼの日常編です。

担当さんがすごくいい人でギリギリだったんですが、なんとかねじ込んでくれました。

本当に感謝です。ありがとうございます。


あなたの家のお近くの書店さんやネットで予約お待ちしております。


挿絵(By みてみん)


オレンジアントE「(#^^#)」

オレンジアントA「(^ω^)」

オレンジアントB「(´▽`)」

オレンジアントC「(*´ω`)」

オレンジアンドD「( *´艸`)」

何やら楽しそうなことをしているオレンジアントたちだった。

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
+注意+

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