2章までのあらすじ
貧しい家に生まれた弱気で臆病な11歳の少女エーデル・ヴァインデンヘラーは学校での執拗な虐めに耐えかね、学校に行かず親戚の経営するレストランの手伝いをして日々を過ごしていた。そんな彼女はある日を境にマルグリットと云う蒼い目の少女に憑りつかれてしまう。マルグリットは彼女に少しずつ悪夢を与え、彼女の精神を疲弊させ彼女の身体を乗っ取ろうとしていた。そんな彼女を支えたのが初めて出来た友人のフランツィスカ・ディーゲルマンだった。フランと過ごす何気ない日常は彼女に細やかな幸せをもたらしていたのだった。
マルグリットに憑りつかれてから数週間後のこと、彼女は突然両親に今住んでいる街から遠く離れた教会に預けられる事を告げられる。いつもどんな時も優しく接して力になろうとしてくれた両親と離れ離れに生活しなければならいと知り、彼女は大きなショックを受ける。しかし、これは自分に与えられた成長するための試練なのだと言い聞かせ、教会の生活に望む事にした。
しかし、教会の生活は彼女の想像を遥かに超えた熾烈なもので教会の一員として正式に認められるためには厳しい体力テストに合格しなければならないと云うことだった。
彼女はまず教会内で使うための新しい『ラヴィンロール』と云う名前を貰った。それから、ラヴィの地獄のような特訓の日々が始まった。
そんな地獄のような特訓で疲弊した彼女の心の隙をついてマルグリットが彼女の人格を乗っ取ろうと動き出すが、2回とも未遂に終わる。しかし、2回目の未遂の際に教会の人間から自分が如何に『特別』な存在なのかを聞いてしまう。『特別』と云う言葉に自信を貰い、更なる自我を取り戻した彼女は人間だった頃に立ち戻って思考した結果、目の前のラヴィンロールの身体に固執せず、教会の人間の目の届かない他の場所で力を蓄えながら新しい憑りつき先を探すと云うより確実な別の選択肢がある事に気付いてしまう。それに気付いた彼女はすぐにラヴィンロールの身体を解放し、自身はどこかに消え去ってしまった。
そんな事はつゆ知らずの憑りつかれていた本人は一度試験に不合格になってしまったものの、フランや新しく知り合った教会の個性的な面々に支えて貰いながら、再試験で無事合格し、晴れて教会の一員として認められる事になった。
こうして一度二つに分かれたラヴィンロールと蒼い目の少女マルグリットだったが、運命の糸が再び二人を巡り合す。




