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4 ジョブ能力について

「なるほど…… それがジョブ能力なんだな?」


「うん、そうだよ、理解できた?」


「おおよそな……」


覚醒の間へと向かう途中。


俺はアベルから、「ジョブ能力」なるものの説明を受けた。


ジョブ能力とはこの世界の人間が有する異能の事であり、この世界に古来より伝わる「覚醒の魔法陣」を使用する事で、異世界人だろうがなんであろうが、誰しも発現する事が出来る能力であるとの事らしい。


そして、アベルから説明を受けた「ジョブ能力」の概要を簡単に説明するば、大きく分けて三つの内容に分類出来る。


それは、1に「職種について」、2に「職種のランクについて」、3に「属性について」の三つだ。



まず、1つ目の「職種について」。


ジョブ能力、それはその名の通り職種に基づいた能力である。


と言っても、俺の前の世界で言う所の「職種」の意味とは大きく異なる。


その相違点とは、「職種が選べない」事と「職種毎にスキルが設定されている」と言う事だ。


それがどういう事か簡潔に説明すれば、要するに覚醒の魔法陣でRPG的な「剣士」とか「武道家」などのジョブ設定が勝手に決められ、そのジョブごとに使えるスキルが大きく異なると、そう言う事だ。


しかもこの世界におけるジョブの種類は10や20では無く、確認されているだけでも100を超える種類があるらしい。


まぁ…… その分、設定が被る職種などもあるらしいのだが。


とにかく…… この世界の能力と言うのはそう言う仕様らしいのだ。


つまり、どんなジョブを引き当てるのかは、その人の運しだい…… そう言う事だ。


効いた話では「勇者」や「大魔法使い」などのスタートから凄まじい能力補正が効いたチートジョブもあるらしいので、本当に運しだいである。



2つ目に「職業のランク」について。


これは、ジョブ能力の熟練度が上がれば、そのジョブがランクアップする!


…………と、いう事ではない。


むしろその逆だ。


この世界のジョブ能力と言うのは絶対にランクアップしない。


しかし、「高位職種」や「下級職種」などのクラス分けは存在するのだ。


それはいったいどう言う事か。


アベルから受けた説明をそのまま引用して説明すると……


まず「片手剣使い」と言うジョブがある。


この職種は片手剣を装備する事でスキルを発動する事が出来るジョブだ。


そしてこの職種は片手剣しか装備出来ないし、片手剣用の攻撃スキルしか発動出来ない。


この片手剣しか使えない「片手剣使い」等が下級職種。


そして「片手剣使い」に対しては、「ソードマスター」が高位職種に相当する。


「ソードマスター」はその名の通り、剣を極められる職種だ。


それがどう言う事かと言えば、片手剣しか使えない「片手剣使い」と違い「ソードマスター」は、片手剣も短剣も大剣も刀も…… 刀剣類であれば全てが装備出来き、そして全ての刀剣スキルが使えるのだ。


まぁ…… 「片手剣使い」にしかないスキル等もあるらしいので、一概にどちらの方が強いとは言えないが、しかし「片手剣使い」にしか無いスキルがある様に「ソードマスター」にしか無いスキルがあるらしいので、やはり「片手剣使い」等が下級職種と言われてしまうのも仕方がない。


なにせ、戦闘時における攻撃方法のバリエーションとアプローチの多様さに違いがありすぎるのだから…… 


やはり差は生まれてしまうのだろう。


とにかく…… この世界の能力と言うのは、スペックの優劣が恐ろしい程にはっきりしていると言う事なのだ。


せめてもの救いは、鍛錬や特殊な経験によって、後天的に新たなる職種が修得できる可能性もあると言う事だろう。


因みに補足をすると、この世界の武器と言うのは「装備」が出来なければ真価を発揮する事が出来ないらしい。


例えば、本当はすごい力を持った魔剣の片手剣があったとして、それを「大剣使い」が持っていては装備出来ないと言う事だ。


「大剣使い」が優れた片手剣を持っても、それはただの剣としての力しか発揮できない。


しかしその優れた片手剣を「片手剣使い」が持てば、「装備」をする事が出来る。


そして「装備」する事が出来れば、その優れた片手剣は真価を発揮し、「装備」をした「片手剣使い」にプラスのステータス補正をもたらすのだ。


つまり「武器は装備をしなければ効果がない」…… そう言う事だ。



最後に3つ目。


「属性」についてだ。


この属性に関しては実にシンプル。


つまり、その人が「火」や「水」など、どの属性を持っているかと言う事だ。


そしてこの「属性」がジョブのスキルに大きく関わってくるらしい。


具体的には、「片手剣使い」のジョブを持っている人が「回転切り」と言うスキルを使ったとする。


この「片手剣使い」の属性が「火」か「水」かで、この「回転切り」が「大火円烈斬(そう言う名前の回転切り技があるらしい)」か「波紋水流斬(そう言う名前の回転切り技があるらしい)」に変わるらしい。


また属性の種類も、火、水、地、風の四代元素にとどまらず、かなりの種類が確認されているとの事だ。


とにかく、「属性」次第でスキルの性能も変わってくる。


そう言う事だ。


ついでに補足しておくと「回転切り」などの「属性」が付いていない無印のスキル技は「無属性」と呼ばれる魔力が付与された技であり、ただ回転して斬るだけの技とは違うらしい。



と……


以上の事から分かるのは、このジョブ能力と言う異能概念は、想像以上にシビアだと言う事だ。


良い能力を引けば簡単に無双ができるし、弱い能力を引けば、それだけで未来が閉ざされる…… そう言う概念だ。


そんな中、果たして俺が……


「さて…… 俺はどんな能力を引き当てるのかな?」


「シン君の能力かぁ…… きっと面白い能力なんだろうね」


「………くくく、そうだな、きっと面白くして見せるさ」


どんな能力を引き当てるのか…… 実に楽しみだ。



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