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自虐ゲーム  作者: 鳴海歩
8/8

エピローグ

今回はあげれました!よかった。

ありがとうごさいました!


「被告人。前へ。」


裁判官が言うと、無精髭を生やした痩せた男が証言台に立った。


「被告は、ジョン・ワグナー、スティーブン・ファウスト、マイケル・ジョーンズ、デヴィット・チェンバース、以上四名を拉致し、監禁。自傷行為を強要したあげく、従わないものを殺害した。この事は、紛れもない事実である。これらのことから、被告人、ジョーイ・トラビスを誘拐罪、監禁罪、殺人罪により有罪とし、終身刑とする。」


「わかりました。」


男は、やけにあっさりと認めた。そこに、検察官は立ち上がり、一つの質問をした。


「最後に一つ訊きたい。なぜあなたは、あの有名な大企業の支部長でありながら、こんな残酷なことをしたんです?」


男は答えた。


「今回はたまたま私だっただけです。」


「は?」


そのまま、男は連れていかれた。法廷内には、異様な雰囲気が漂っていた。














「あいつは初めての“仕事”で、ヘマしたのか?おかしいだろう。」


どこかの地下室の一室で、六、七人の男たちが、パイプ椅子に座りながら話をしていた。


「そうだよな。せっかく“誘導”から昇進したのに。普通、初仕事は慎重にやるものだろう。」


「あいつ、本業の方のストレスで、最近ノイローゼになっていたからな。おおかた、初仕事で浮かれたんだろう。」


「まったく…あれほど証拠を残すなと言ったのに…」


「まあ、この“仕事”の存在が気付かれなかったのが、不幸中の幸いだがな。」


「スタンブ。トラビスの代わりだ。お前が“仕事”をしろ。」


「はい。」


ライト・スタンブ、またの名をトム・トーマスは、厳かに、かつ陰険に言った。


「大出世だな。お前は初めての“誘導”から、初めての“仕事”だ。羨ましいぜ。」


「で、どうよ。」


「何がです?」


「この仕事だよ。拉致した奴らを拷問紛いのものにかけて、それを録画、ダビングして酔狂な金持ちに売る。随分な儲けだ。やっぱり金か?」


「金なんかどうでもいい。ただ俺は、人が自分で死を選ぶ様を見て、笑っていたいだけですよ。」


ライトは、ここで狂ったように、暗く笑った。それを見た男たちも、突然笑いだした。


「はっはっは!狂ってんなお前!」


「天職だな!」


「恐縮です。」


男たちはひとしきり笑うと、それぞれ部屋を出て行った。ライトだけが残り、独り言を呟いた。


「自分を傷付けるのが怖い…か。ああ怖いさ。でも、他人を傷付けるのは…快感だよ。」













その後、ジョーイ・トラビスは牢獄の中で、喉を切って死んだのが見つかった。壁には、『永遠とも思える痛みより、刹那の死を望む。』とあった。


かなり微妙な終わりですが、これで完結です。

長い間、ありがとうごさいました!

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