第五話 GAME OVER
すいません!本当に遅れました!
とりあえず、ゲームは終わります。
『時間デス。』
来た。やっと。長かった。血で縮れた包帯だらけの両腕の拳を握る。もっとも、麻酔で力はないに等しいが。
『結果ハ、ジョン・ワグナーサンガ50pt、トム・トーマスサンガ0pt。デハ、トムサン。コレカラ処刑ヲシマスケド、ナニカ言イ残スコトハアリマスカ?』
「…ないさ。糞野郎。」
『ワカリマシタ、サヨウナラ。チキン。』
部屋が暗くなる。ギロチンがキィィーという音を響かせた。ガシャンという音のあと、思い鉄球が落ちるような音が響く。液体が思い切り壁にあたる音がきこえる。
ジョンの部屋だけが明るくなる。拘束が解け、麻酔で鈍くなった体を無理に起こし、床に立った。透明の壁はなくなっている。
『サア、ソコノドアカラ出テクダサイ。金ハドアノムコウニアリマスヨ。』
ドアを出ると、長い廊下があった。先は見えない。
この鬼畜は、まだ苦しめるのか。こっちは、まだ麻酔が効いていて、しゃべる事すらままならないというのに。
だが、ジョンは歩き始めた。生きたい。生き残りたい。その心が、足を動かした。
「あそこか…」
いくらか歩くと、ドアが見えてきた。多分、あれが出口だろう。
ドアの前まで来た。
『右ノ方ニ金ハアリマスヨ。50万$、耳ヲ揃エテネ。』
見ると、壁の穴に札束が無造作におかれている。ジョンは、それを手に取った。こんなもの…と、投げつけるつもりだったが、やはり借金返済は大きい。しかも釣りが出るほどだ。…やはりもらっておこう。扉を開こうとする正義感を無理矢理押さえ、札束をズボンのポケットに入れた。我ながら呆れる。
『オメデトウ。ソシテサヨウナラ。』
そいつの声は多少楽しそうだったが、今はもうどうでもいい。やっと解放される。それだけでいい。
ジョンはドアを開け、目の前にある階段を登っていく。光だ。えらく久しぶりに見た気がする。目を細めて、ジョンは一歩を踏み出し、外へと出た。
どこかの工業都市だろうか。目の前には丸いガスタンクがある。ああ、早く家に帰ろう。いや、その前に病院か?治療を受けて、この事件を明らかにして、借金を返済して…。やることがいっぱいある。でも俺は生きてる。生きて…。
煙臭いなか、夕焼けに照らされながら、ジョンは倒れた。ジョンの後ろには、紅い足跡が続いていて、ポケットからはみ出た札束は紅く染まっていた。
エピローグ…
出来るだけ早く書きますので、よろしくお願いします。