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自虐ゲーム  作者: 鳴海歩
5/8

第四話 狂った神経

今回は時間がかかった割に短めです。


「早くやったほうがいい。麻酔で眠ってしまうぞ。」


のこり十一分になった時、前の部屋の男が言った。ジョンは、多少の不安を感じながら、包丁を手に取った。

そして、自分の手に包丁を落とした。

…痛みが無かった。まるで自分視点の映画を見ているようだ。


「…まずは10pt。」


余裕。ジョンの頭の中にその二文字が浮かび上がった。痛みがないなら、いくらやっても…


「おらあっ!」


20、30pt。続いて…とその時、一瞬の不安がジョンの脳裏によぎった。ジョンは思わず手を止めた。ジョンの左手は、血を吹き出しながら、痙攣していた。


「な…」


「50pt到達!」


隣の部屋の男が叫んだ。その言葉にジョンは少し喜びを感じた。少なくとも、一人助かった…。


「じゃあ、加点といきょうかぁ!」


「え?」


「金のためぇ!痛きゅないいまならぁ!」


「やめ…」


ブシュッ!

さっきとは比べ物にならい音と血が出た。包丁で腹を刺したのか?おそらくそうだろう。壁一面に紅が染まっていた。何度も嫌な音と狂ったような笑い声がひびく。が…


「はははは…は…」


突然、笑い声と嫌な音が止まった。


「なんだ?」


「俺もよく見えないからわからないが…多分、止血をしていなかったから、出血多量による失神だ…これじゃ、もう何もできないな。」


それを聞き、恐怖を感じたジョンは、すぐに包帯を手に取り、止血した。危なかった。もう少しで、死んでいた。

ジョンは、去った、表現できなかった危機にひとまず安堵した。


「だけど、まだ30ptしか貯まってない。やらないと…!」


「ああ、急げ。のこり十分を切った。」


その言葉を聞いたジョンは、手にした包丁を置いた。


「思うんだが、なぜあんたはやらないんだ?」


「…もしかしたら警察が来るかもしれない。そう思っているだけさ。心配するな、残り五分になったらするよ。」


ジョンは、不安を感じながらも、包丁を手に取り、左腕の二の腕を刺した。


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