第二話 ルール説明
すいません!本当に遅くなりました!久しぶりの自虐ゲーム、スタートです!
『ルールハカンタン。ジブンヲキズツケテポイントヲカセグダケデス。』
「ポイント?」
『ハイ。ソシテ、一位ノヒトニハ、二位ノヒトトノ差ノpt、1pt=1万$ガオクラレマース。』
「一万$?!」
「なんて大金だ…」
実は多額の借金を負っているジョンからすれば、それは実においしい金額だった。
「それなら、50pt溜めるだけで借金が返せる!」
「俺も35ptあれば…!」
「俺もだ!」
「俺も!」
どうやら皆借金を抱えているらしい。少し親近感がわいた。
『例ヲアゲルト、一位ノヒトガ10pt、二位ノヒトガ8ptダッタ場合、10pt-8pt=2ptデ、一位ノヒトハ2万$モラエマス。』
「なるほど…」
「なあ。」
ジョンは声に語りかけた。
『ナンデスカ?』
「死んだらどうなる?例えば、一位で死んだ場合…」
『死人ニ口ナシ。死人ニワタス金モナシ。ソウイウコトデス。』
「つまり次位のやつに金を受けとる権利は受け継がれると?」
『ハイ。』
「で、ポイントの稼ぎ方は?」
右隣にいるであろう男が言った。
『ハイハイ。ソレゾレ近クニテーブルガアリマスネ?ソノ上ニアル、鉛筆ガ1pt、カッターガ5pt、包丁ガ10pt、チェーンソーガ50ptデス。』
「…」
ジョンは唾を飲んだ。今から自分は「痛み」に向き合わなければならない。今まで一度もしたことのない、「痛み」との向き合い。それは自分の動悸を激しくさせた。
「おい。」
さっきの前に見える部屋の奴が話しかけた。
『ナンデスカ?』
「止血はどうするんだ?」
『止血ハ包帯デ適当ニシテクダサイ。』
何故か一気に声のトーンが下がった。
「包帯?」
『足下ニアリマスカラ、アトデ確認シテクダサイ。』
暫しの間が空いて(おそらく質問がないと確認したのだろう。)また苛立つ程に甲高い声が聞こえた。
『ハイ。アトイイワスレマシタガ最低50ptハトッテクダサイ。ジャナイト…死ニマスヨ。』
「はあ!?」
『デハ、ハジメテクダサイ。制限時間ハ20分デス。』
スピーカーがプツンと切れ、ゲームは始まった。
「…始まった。見せてもらおう。『金』か?『命』か?はたまた…『絶望』か?」