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自虐ゲーム  作者: 鳴海歩
3/8

第二話 ルール説明

すいません!本当に遅くなりました!久しぶりの自虐ゲーム、スタートです!


『ルールハカンタン。ジブンヲキズツケテポイントヲカセグダケデス。』


「ポイント?」


『ハイ。ソシテ、一位ノヒトニハ、二位ノヒトトノ差ノpt、1pt=1万$ガオクラレマース。』


「一万$?!」


「なんて大金だ…」


実は多額の借金を負っているジョンからすれば、それは実においしい金額だった。


「それなら、50pt溜めるだけで借金が返せる!」


「俺も35ptあれば…!」


「俺もだ!」


「俺も!」


どうやら皆借金を抱えているらしい。少し親近感がわいた。


『例ヲアゲルト、一位ノヒトガ10pt、二位ノヒトガ8ptダッタ場合、10pt-8pt=2ptデ、一位ノヒトハ2万$モラエマス。』


「なるほど…」


「なあ。」


ジョンは声に語りかけた。


『ナンデスカ?』


「死んだらどうなる?例えば、一位で死んだ場合…」


『死人ニ口ナシ。死人ニワタス金モナシ。ソウイウコトデス。』


「つまり次位のやつに金を受けとる権利は受け継がれると?」


『ハイ。』


「で、ポイントの稼ぎ方は?」


右隣にいるであろう男が言った。


『ハイハイ。ソレゾレ近クニテーブルガアリマスネ?ソノ上ニアル、鉛筆ガ1pt、カッターガ5pt、包丁ガ10pt、チェーンソーガ50ptデス。』


「…」


ジョンは唾を飲んだ。今から自分は「痛み」に向き合わなければならない。今まで一度もしたことのない、「痛み」との向き合い。それは自分の動悸を激しくさせた。


「おい。」


さっきの前に見える部屋の奴が話しかけた。


『ナンデスカ?』


「止血はどうするんだ?」


『止血ハ包帯デ適当ニシテクダサイ。』


何故か一気に声のトーンが下がった。


「包帯?」


『足下ニアリマスカラ、アトデ確認シテクダサイ。』


暫しの間が空いて(おそらく質問がないと確認したのだろう。)また苛立つ程に甲高い声が聞こえた。


『ハイ。アトイイワスレマシタガ最低50ptハトッテクダサイ。ジャナイト…死ニマスヨ。』


「はあ!?」


『デハ、ハジメテクダサイ。制限時間ハ20分デス。』


スピーカーがプツンと切れ、ゲームは始まった。












「…始まった。見せてもらおう。『金』か?『命』か?はたまた…『絶望』か?」


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