表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/34

第34話



 「…あの」


 「ん?」


 「…バンパイア…って、いるわけないですよね〜…なんて」



 「バンパイア」なんているわけがない。


 そんなのは口にするまでもなかった。


 空想上の生き物で、おとぎ話の中の存在。


 言ってる自分が恥ずかしくなった。


 天ヶ瀬から聞いていたとはいえ、はっきりとは喋れなかった。


 それが普通だろ?


 100歩譲ってそういう存在がいたとして、それが東京中にいるなんて…



 「全然説明できてねーじゃねーか」


 「説明しましたって」


 「コイツの顔を見ろよ?なーんもわかってない顔だぞ、これ」


 「…はぁ」



 天ヶ瀬は深いため息をついた。


 そうかと思えば首を小さく横に振って、呆れたように俺の方を一瞥した。



 「コンビニであったことを話せばいいんだよ」


 「…え、ああ」



 コンビニであったこと。


 それって、例えばあのおっさんに出くわしたこと…とか?


 そう聞くと、彼女は軽く頷いた。



 …えっと



 コンビニに行って、おっさんに出会って、それで…



 最初から、洗いざらい話した。


 俺が思い出せる範囲で、できるだけ正確に伝えようとした。


 慎重に話さざるを得なかった。


 だって話してても、うんともすんとも言わないんだ。


 せめて頷いてくれよって思った。


 ちっとも反応がないから、ちゃんとわかってくれてんのかもわからなかった。


 頼りになるのは天ヶ瀬だけだっていうのに、天ヶ瀬は天ヶ瀬でずっと不機嫌だし…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ