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第25話



 スタスタと前を歩く彼女に連れられ、たどり着いたのは6階建てのビルだった。


 築30年は経っているであろう古びた面構えと、平凡な骨格。


 ところどころ壁は割れてて、黒ずんだシミがコンクリートの奥にまで入り込んでた。


 オフィスビルにしては少しやつれている。


 かと言って、マンションとかとは少し違う。


 それは入り口を見た時に思った。


 マンションのエントランスといえば、ロッカーだったりセキュリティーロックだったり。


 エレベーターだって完備されてる。


 なのに、この“ビル”はなにも無い。


 なにも無いっていうと語弊があるかもしれない。


 入り口のドアは開閉式で、重たい金属の取っ手が、ガラスでできた扉の重厚感を彩っている。


 ドアは両開きになってた。


 左右には柱が立ってて、外回りの壁伝いには、蛇のような排気ダクトが張り巡らされていた。


 タイル調の壁の素材は、網目のようにきめ細かい。


 入り口の向こうには、無機質なコンクリートの壁と廊下が薄暗い照明の下に佇んでいた。


 白い蛍光灯が、背の低い天井の下で所狭しと並んでいる。


 階段だ。


 入ってすぐ、それが視界に入った。


 10メートルほどの廊下の向こうに、2階へと続く回り階段が、ひっそりとした空間を囲うように続いていた。


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