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第23話


 ただ可愛いってだけじゃなくて、どこか掴みどころ魅力を持ってた。


 言葉にするのは難しかった。


 同い年の感じには見えなかった。


 見た目がどうこうって言うより、雰囲気というか、ちょっとした仕草や、言葉遣いが。



 「今のうちに考えておいた方がいいよ」


 「…なにを」


 「どういう“処理”をされるのかはさておき、キミはもう生きて家に戻ることはできない」



 無機質な電車の音が、そこかしこに響いている。


 6両編成の車両と、仕事帰りのサラリーマン。


 赤色の制服を着た学生の姿や、部活終わりの男子グループ。


 この線路を使うのは久しぶりだった。


 中央線なんて、滅多なことじゃ乗らない。


 高校までは電車を使ってるけど、八王子駅までしか利用することはなかった。


 だから新鮮だった。


 いつも乗ってる八高線と違って、乗ってる人が多い。


 パッと見ただけで全然違った。


 中央線は東京駅まで繋がってる。


 とくに上りは利用する人が多いせいか、来た時よりも多い印象を受けた。


 東京に向かう人たちが、揺れる車両の上で談笑してた。


 居眠りをこいてる人もいれば、スマホをいじってる人も。


 俺たちは運良く座席に座れていた。


 高尾山口駅では、乗り降りする人がそんなに多くはなかった。



 「…本気で言ってんのか?」



 彼女の言葉を疑うつもりはない。


 ここまで来て、冗談を言ってるってわけでもないんだろう。


 きっと本気だ。


 本気で、俺を殺そうとしてる。


 ただ、どうしても現実には思えなかったって言うのと、天ヶ瀬がそんなことするわけないって事で、色んな感情がごちゃ混ぜになってた。


 色んなものが混ざり合ったまま、ありふれた言葉が口から漏れた。


 どんな答えが返ってくるのかなんて、正直どうでも良かった。


 知りたかったのは、ただ…


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