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違和感


 二重起動を安定して使えるようになったところで、魔物狩りの効率化が一気に進んだ。


 大技を使わなくても集団の敵を倒せるようになったおかげで、魔力回復のなんとかできる範囲で魔物を倒せるようになったのが大きいね。


 とりあえずこの技術が身体に馴染むまで第九階層での狩りを続け、問題もなさそうだったのでLV上げの効率が落ちたと実感ができたところで切り上げる。


 新たな日課にした就寝前のトレーニングをしてステータスを上げてからぐっすりと眠り、英気を養ってから第十階層へ向かうことにした。


 今のところ、俺に一番必要そうなのが俊敏と魔法攻撃力だ。

 なので基本的には有酸素運動系をするようにしている。


 今の俺でもきつくなる速度と負荷にするため、後ろのマシンとくっついている車輪部分がが火を噴くんじゃないかと思うくらいのスピードが出て、表示されている速度計は完全にバグっていた。


 そして俺のモモが死に、しばらくお尻がじんわりと痺れた。

 ……やっぱりこれだけキツい思いをして俊敏が1しか上がらないっていうのは、どうにも納得がいかない。


 あ、そうだ。

 そういえばあのトレーニングルームの中に、魔法攻撃力と魔法抵抗力、そしてHPとMPを上げることができる器具は存在していなかった。


 多分だけどもう一度強化したら、出てくるんじゃないだろうか。


 一体何が出てくるのかは正直気になるけど……今はMPを20000も使う余裕はないので確認するのは次の機会だ。

 今の俺のステータスはこんな感じ。




鹿角勝


LV 122


HP 1330/1330

MP 1943/1943

攻撃 270

防御 287

魔法攻撃力 453

魔法抵抗力 429

俊敏 278


ギフト

『自宅』LV4


スキル

光魔法LV10(MAX)

闇魔法LV6

火魔法LV7

風魔法LV10(MAX)

水魔法LV9

土魔法LV4

雷魔法LV10(MAX)

氷魔法LV6

時空魔法LV10(MAX)

魔力回復LV10(MAX)



 ヌルゾンビ狩りでLVを上げすぎたせいか、何日か粘った割にはLVの上がりが遅い。


 他に特筆すべき点は、やっぱりウィンドサーチを使いまくっていたおかげでとうとう風魔法のLVが10まで上がったところかな。


 風魔法LV10で覚える魔法はウトモストタイフーン。

 こいつはいわゆる、全体攻撃だった。


 この魔法を使うと、俺を中心にする形で風の嵐が起こり、周囲に対してかまいたちを伴う暴風を引き起こす(ちなみにスペースには余裕があるので、仲間を中に入れることくらいならできそうだった)。


 魔法が終わり風が消えると周りにいたはずのソーサリーレイスは完全に消えており、地面はめくれ上がり、草は切り刻まれ……色々とひどい状態になっていた。


 全方位に対して吹き荒れる風の魔法……たしかに強力だけど、使いどころが難しいな。


 自分の周囲が完全に敵に囲まれた時なんかは使えるだろうけど、中国の武将みたいに一旗駆けなんかするつもりもないし。


 威力的にはグングニルやジャッジメントレイには劣るようなので、とにかく大量の雑魚を狩りたい時に使えるかなって感じかな。


 ちなみに光魔法と同様、まだ使えないらしい魔法も一つ存在している。


 俺の希望的な観測では空を飛ぶ魔法と見ているけど……こっちを使えるようになるためにも、このダンジョンを出たらもうちょっと積極的に風魔法を使うべきかもしれないな。


 風魔法はどちらかといえば、対人戦で威力を発揮する魔法っぽいし。



 第十階層に挑むため、階層を繋ぐ階段を下っていく。

 一つ下の階層へ向かい、より強力な魔物と相対する。

 そんなことはもう何度もやってきたはずだというのに……階段を下っている最中に、何故か俺の足が止まった。


(なんだろう、この違和感は……)


 言葉で上手く表現することのできない、強烈なプレッシャーのような何かが襲ってくる。

 ズンッと肩が重くなるような感覚。断じて錯覚ではない。


 喉が乾き、思わず水筒を取り出して飲む。

 まだ何もしていないのに、額が少しだけ汗を掻いていた。


「こんなこと、今まで一度もなかった……」


 身体が強ばり、緊張している。

 つまり第十階層にいる敵は――まだかなりの距離があるはずのここからでもその存在感を感じ取ることができるほどに強大ということ。


「第十階層の魔物――エルダーリッチ」


 それこそがこれから俺が戦わなくてはいけない相手であり――騎士団を全滅に追い込んだとされる魔物だ。


 深呼吸をすると、緊張が少しほぐれてきた。

 ゆっくりと準備運動をして、いつでも『自宅』に帰れるよう心の準備をして……俺は階段を下りる。


 そしてウィンドサーチを使い……それとほとんど同時に、こちらにものすごい勢いでやってくる魔物の反応を捉えた。


 ――嘘だろ、この位置でもう気付かれたの!?

 向こうから……来るっ!

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