らくらく
幸い時間はあったため、既に雷魔法と光魔法以外にも、一通りの魔法を試すことができた。
今日はその結果発表をしていきたいと思う。
戦闘時の魔法は雷と光に絞るが、戦闘以外に使える魔法があるなら使おう。
なんかいいのがあればいいな。
そんな風に考えていた俺に一番役立った魔法は、意外にも風魔法の一つだった。
LV6で覚えるウィンドサーチ。
これは風に己の魔力を通すことで、外敵を探すことのできる魔法だ。
自身が放った風がどのように動いたかという情報がわかるようになり、動いているものの反応を捉えることができるようになる。
これを使うことで、俺は魔物の反応を簡単に探知することができるようになった。
おかげでサーチ&デストロイも更に簡単になり、今ではリポップした瞬間にレイスを狩れるようになった。
その他で言うと、火魔法はやはり戦闘特化。
水魔法は水を動かして相手を窒息させたりすることができるがややトリッキー。
土魔法はLVが上がりきっていないのでまだ完全にはわからないが、罠を設置したりして事前に準備をしてから相手を迎え撃つのに使えそうだ。
氷魔法は攻撃を当てると、相手を凍結状態にさせることができる。
火魔法と同じで相手に状態異常を与えながら戦えるというのがメリットになるだろう。
時空魔法は色々と特殊で、今のところ俺が使っているのはアイテムボックスだけだ。
ただ時空魔法は色々と小回りが利く魔法が多い。
恐らく今後頼りにすることになるのはLV9で覚える、今自分がいる空間を認識するパーセプションの魔法だろう。
こいつは簡単に言えば、頭の中に自分のいる空間の地図を出す魔法だ。
正確さはそこまでではないし、階層を下る階段の場所もわからないが、それでも何も情報がない第六階層以下を潜るにあたっては、確実に必要になってくるだろう。
対象を加速・減速させたりできる魔法を使ってグングニルやジャッジメントレイといった強力な魔法を更に加速させて威力を上げたり。
瞬間移動を連続して使いながら相手を置き去りにする超速スピードバトルを展開したり。
色々なことができそうで夢が広がりんぐ状態ではあるんだけど、そもそも魔法の二重起動ができない俺からすると難易度が高すぎる。
そして最後に闇魔法。
こいつは簡単に言うと……攪乱や隠密に長けた魔法だ。
影を固形化させて射出するブラックバレットや武器に闇の魔力を纏わせるシャドウアーツは中二心をくすぐるものがあるが、恐らく闇魔法の強い部分はそういった純粋な攻撃力ではない。
真っ黒な煙幕を広げるスモークカーテンや、相手に暗闇の状態異常をかけるダークネスフォグ、そして影の中に自分の身を入れることのできるシャドウダイブといった魔法がその真骨頂だろう。
俺が簡単に言うとなんか暗い魔法だと言った意味もわかってきただろう?
ただ光魔法でバフを覚えることができたから、闇魔法ではデバフが覚えられるとばかり思っていたんだけど、今のところデバフの魔法は一つも覚えていない。
もしかするとこの世界には、状態異常攻撃はあってもデバフの魔法ってものは存在しないのかもしれないな。
とまぁ、この十日間で俺の魔法研究もずいぶん進んだ。
なのでこれらの魔法を上手く使えるようにするために、全ての魔法の確認を終えた今は、闇魔法と時空魔法を使いこなせるように練習しながら、雷魔法・光魔法を身体に染みこませるように使いまくってMPを消費するようにしていたというわけ。
さて、これなら第五階層も大丈夫だろうと思い挑んでみたわけだが……。
「レールガン」
「グガガァァッ!?」
石橋を叩きに叩いてから挑んだ結果、スケルトンウォリアーは俺のレールガンの一撃で粉々に砕け散り。
なんならチェインライトニングで三匹まとめて葬り去ることまでできるとわかり。
ちょっと頑張りすぎたかなと思いながらも、使い続けることで徐々に索敵範囲の広がってきたウィンドサーチを使いながらスケルトンウォリアーを倒しまくり、家にあった妙にダサい柄の巾着袋がいっぱいになるまで、核の欠片を詰め込むのだった――。