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そろそろ


 『騎士の聖骸』にこもり始めること早十日。

 結局訓練に都合がいいのは間違いないため、俺は第五階層には潜らず未だ第四階層に留まり続けていた。


 色々な変化があったし、同時に限界を感じるようにもなってきた。

 一通り落ち着いたので、そろそろ動き出すのには言い頃合いだと思う。


 まず最初の変化は、時計を使うのをやめるようになったことだ。

 その代わりに使うのは、アプリのストップウォッチ機能である。


 このアリステラの時間は、俺達現代日本と同じ一日二十四時間。

 時間には若干のズレがあったが、修正しておけば時計は問題なく機能する。


 けれどことダンジョン攻略において、あまり今の時間を知る意味はない。

 ダンジョンの中は常に薄暗いし、魔物の強さが昼と夜で変化するというようなこともないからだ。


 ということで俺は探索時間と睡眠時間という分け方をすることで、よりダンジョン内での行動を最適化できるように心がけることにした。


 その結果、面白いことがわかった。

 自分の睡眠時間を変えながら色々と試してみた結果、魔力を全回復させるのに必要なおおまかな時間が判明したのだ。


 どうやら魔力というのは、六時間以上の睡眠を取ることで全回復するようになるらしい。


 というわけで俺は六時間寝てから探索をこなし、それを終えたら自分の身体を物理的に痛めつけてから家で休憩。


 その後に魔法のLV上げという感じで、一連の流れを一セットにすることでどれもおざなりにしないやり方を取ることにした。



 しっかり休息を取りながら母さんのガーデニングを掘り進めてはリフレッシュを使って元に戻す、賽の河原状態での土いじりによる土魔法のLV上げ。

 暗闇で瞑想をしながら、自宅に戻る前に使った魔法をどうやったら使えるかイメトレをして闇魔法のLV上げ。


 製氷機で氷を作ってはシンクにぶちまけ、再び製氷機に水を入れるという狂気的な行動を繰り返したことによりたしかに氷魔法のレベルは上がったが、俺の家のシンクが魚の冷蔵保存室みたいになってしまった。


 こうして俺はMPを無駄にすることなく、効率的な練習に励んだのである。

 何度も大量のMPを回復したからか、魔力回復のレベルも順調に育ってきている。


 その結果、俺のステータスはこんな感じになっている。




鹿角勝


LV18


HP 290/290

MP 123/827

攻撃 59

防御 79

魔法攻撃力 137

魔法抵抗力 112

俊敏 64


ギフト

『自宅』LV3


スキル

光魔法LV10(MAX)

闇魔法LV6

火魔法LV7

風魔法LV8

水魔法LV9

土魔法LV4

雷魔法LV10(MAX)

氷魔法LV6

時空魔法LV10(MAX)

魔力回復LV4




 引きこもって下がっていた俊敏がようやく戻ったが、それは特段重要じゃない。


 やはり目が行くのはLVだ。

 俺のLVはたしかに上がっているんだが……既にここでのLV上げはちょっと頭打ちな感がある。

 やってきたばかりの時は一日で10も上がっていたというのに、今は十日でたったの3しか上がっていないのだ。


 ゲーム的な表現をするのなら、ここはもう俺の適正な狩り場ではないんだと思う。


 痛みにもずいぶんと慣れた。

 慣れというのは恐ろしいもので、最初は痛みでまともに考えることすらできなくなっていた俺も、何度も刺しては回復してというのを繰り返すうちに、今では腕にナイフを刺した状態でもレイスを瞬殺できるようになっていた。


 痛みに耐える訓練と魔法の確認を始めること十日。

 一通り魔法は使い終え、雷魔法と光魔法以外に使えそうな魔法の選定も済んだ。

 戦うために必要な準備はできたと思う。


 ということで新たに力をつけ万全を期した俺は、第五階層へと進むことにした。

 第五階層の探索が終わったら一旦地上に戻り、メリッサさんから言われていたスケルトンソルジャーの核の破片の依頼の達成報告をするつもりだ。


 しばらく人と話していないからか、妙に人恋しく感じる。

 異世界に来たら寂しさを感じるというのはなんだか都合が良すぎる気もするけれど……引きこもりを脱却しつつあると、プラスに捉えることにしようかな。

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