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新たな魔物達


 初めての探索と、魔法の練習。

 この世界でやっていけそうだという手応えも感じられたが、課題も沢山見つかった。


 いくつか思うところはあったけれど、やっぱり第一になんとかしなくちゃいけないのは、痛みへの慣れだ。


 何度か自分の身体を傷つけて思ったが、やはり痛みを感じるとそれだけ魔法を使うまでに時間がかかってしまう。

 攻撃を食らったせいで魔法が使えず後手後手に回ってやられてしまう……そんな未来が容易に想像がつく。


 なのであんまり気は進まないけど……痛みに耐える訓練をしていくことにした。

 今後は探索を終えて自宅に戻る前に、自分の身体を傷つけて痛みを感じながら魔法を使う訓練をしていくことにする。


 第二にやらなくちゃいけないことは、魔法をしっかりと使いこなすことができるようになること。


 そのために俺は昨日の考えを更に発展させ、戦闘中に使うのは光魔法と雷魔法の二つに絞ることにした。

 少しもったいない気もするけれど、下手に色々手を出して全部中途半端になるよりそっちの方がいいと思うのだ。

 魔法も勉強とかと同じで、一個極めたら次はもっと簡単にいけるみたいな感じだと思うからさ。


 俺の場合、魔法を使う時の選択肢が多すぎるのがボトルネックになりかねないんだよな。

 どれを使えばいいか判断に迷ってやられるとか、ちょっとダサすぎるし。


 既に九属性の魔法を使える状態だから、更に言うと土魔法を除けばそれぞれ10近い魔法……つまりは現状で80以上の魔法が使えるわけだからな。


 いざ魔法を使う時にどれを使えばいいかがわからないとなるという本末転倒な事態を避けるためにも、必要な処置だろう。


 ……あ、もちろん手札を知っておくのは必要なので、魔法を一回ずつは使うつもりでいる。

 自宅に戻る前に痛みに耐える練習をする時、余ったMPを使って試し打ちをしていくつもりだ。

 

 そして戦闘用の魔法を身体に慣らしていくのと並行して行う第三の課題が、各属性のLV上げだ。

 可能であれば早い段階で、MAXである10まで上げておきたい。


 雷魔法LV10のグングニルや光魔法LV10のジャッジメントレイを見ればわかるが、やはり高LVの魔法は、純粋に強い。

 先のことを考えれば、使えるようになって損はない。


 それに魔法のLV上げ自体は自宅で色々と動いてるだけでできるから、第二の方針とかち合うこともないし。


 基本的には電化製品を使ったり、蛇口から水を捻るだけでレベルが上がっていくんだが、闇と土だけはいささかやり方が違う。


 闇魔法のLVを上げるには真っ暗な空間の中でジッとしておく必要があり(ちなみに何故か寝ているとカウントされないため、起きている必要がある)。

 土魔法のLVを上げるには庭に出て母さんのガーデニングを弄らなくちゃいけないのだ。


 これだけでLVが上がるわけだから、多分他の魔法使いが聞いたら憤死するような楽さだとは思う。

 今まで面倒がってたんだけど……今後は寝る前にちょこちょことやっていこうと思う。


 まあそれより何より、まずは第三階層の探索だ。

 ここから先は出る魔物の種類が増えるんだよな、気を抜かずに行こう。








 第三階層に下ると、洞穴なのは変わらないが第一・第二階層で感じていたような閉塞感が一気に消えた。


 通路の横幅も更に大きくなり、更に要所要所に碑銘のない墓が建ち並んでいる。

 よく見ると卒塔婆のようなものも刺さっていた。

 墓は土葬とかしてそうな感じの洋式なので、ものすごい違和感だ。


「ウガウッ!」


 地図を見ながらおっかなびっくり歩いていると、遠くから足音が聞こえてくる。


 ズリズリと音が鳴っているのは変わらないけど、その速度はさっきまで相手をしていたゾンビ達と比べるとかなり早い。


 やってきたのはでろんと右の目玉が飛び出して視神経がむき出しになっている、犬の魔物だった。

 あれがゾンビドッグか。


 ゾンビドッグは、基本的には素早くて犬型のゾンビだ。

 耐久はゾンビより低いらしいけれど、その分四足獣特有のスピードを持っているという話だけど……


「ライトニング!」


「ギャンッ!?」


 動きが直線的なので、ライトニングで問題なく処理できた。

 どうやら耐久はゾンビよりないらしく、瀕死で一撃で完全に絶命している。


 続いてやってきたのは、ゾンビドッグが三体だ。


 一体ずつ狙いをつけるだけの技量がまだ俺にないので、ライトアローレインで物量作戦に出ることにした。


 幸い光魔法のLVの高さと魔法攻撃力の暴力によって、ライトアローレインの一発でもゾンビドッグは問題なく倒すことができた。


 進んでいくとそろそろ第四階層への階段が見えてくるかというところで、また新たな魔物が出てきた。


「カカッ!」


「カカカッ!」


 やってきたのは動く白骨であるスケルトンだ。


 その数は二。手には粗末な石斧を持っており、歩く度にガチガチと歯が鳴っている。


 こいつらはたしか、胸の奥にある核を砕かなくちゃいけないんだよな。

 これは威力の高い雷魔法を試してみるいいチャンスだな。

 こいつらには練習台になってもらうことにしよう。

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