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限界突破


 とりあえず全速でエルモアグラードを目指すためにした役割分担は、きっちりとはまってくれた。

 おかげで毎日快適で、わりと心にゆとりのある生活をすることができている。

 移動を頑張るのが俺の仕事で、家の中で帰りを待っているのが未玖の仕事だ。


 家に帰ってくると、誰かが温かいご飯を作って待ってくれているというのが、これほど活力の源になるとは思っていなかった。


 地球での暦で言うと十七歳になったばかりだけれど、世の旦那さんの気持ちが少しだけわかったよ。守るべき家っていうかなんていうか……上手く言葉に表すことはできないけれど。

 今の俺が全力でダッシュをすると、ものすごい速度が出る。


 ある程度力を入れて走れば通りにいる女の子達のあらゆるスカートはめくれ上げるだろうし、全力を出せば地面がめくれ上がり近くにある樹木の枝は折れてしまう。


 個人的な主観でいうと、多分高速で飛ばす自動車なんて目じゃないくらいのスピードが出ていると思う。

 うっかりぶつかった魔物を衝撃でひき殺してしまった時は、少しだけ良心の呵責を感じたほどだ(ちなみにイノシシだったので、後で美味しくいただきました)。


 これだけの速度が出るのは、俊敏が限界突破したのも大きいと思う。

 なんとなくの感覚なんだけど、俊敏が1000を超えるとまた一段階ギアが上がった気がするんだよね。


 それに今まで俊敏が1上がってもどれくらい早くなったかはわからなかったけれど、限界突破をしてからはギリギリ知覚できるくらいには自分で速度の向上を実感できるようになっていた。


 この限界突破の詳細は、未だ不明だ。

 一応未玖経由でアリシア様に聞いてもみたんだけれど、歴代の勇者でもそんな話は聞いたことはないという。


 ただなんとなくだけど、恐らく何もない場合各種ステータスは999で頭打ちになるんだろうな。


 俺が1000を超えてもまだまだステータスが上がるのはギフトがあるからなのか、俺が勇者だからなのかはわからないけれど……まぁ今のところ実害がないので放置している。


 ただこんな爆速で走る姿を人目に見られるわけにもいかないので、俺は少し遠回りになっても、常に人のいない場所を探して走るようにしていた。


 これは新たにわかったことなんだけど、爆速で移動するとウィンドサーチが非常に使いづらくなる。

 自分でとてつもない量の風を生み出しているせいか、確度や精度がガクッと落ちてしまうのだ。


 そこで頼りになるのは、魔力感知だった。

 魔力があるものを見分けることができるこの力は、俺が思っていたよりずっと使い勝手が良かったのだ。


 これを使うと、近くにある魔力反応を感知することができる。

 LVが上がり過ぎて薬草や魔物の死骸なんかにも反応するとわかった時はかなり困ったけれど、使っていくうちに感度がある程度自分で調整ができることがわかってからはグッと楽になった。


 とりあえず人間が最低限持っているくらいの魔力量を閾値にすれば、人に見つかったり魔物と遭遇したりするのを避けるのは一気に簡単になったのだ。


 思いっきり走って景色がバシバシ変わるほどの速度を出すと、流石に走りながら魔法を使うだけの余裕はない。

 なのでこれを機に、魔力感知の練習をしていくことにした。


 まず最初に改良したいと思った部分は、やっぱり人と魔物の区別だ。

 両方を避けながらとなると、どうしてもかなりの遠回りになっちゃうからね。


 魔法はイメージが大切。

 それなら同じくスキルであり、魔力を使う魔力感知もイメージを使えばある程度なんとかできるんじゃないかと頑張ってみた結果……できた。


 ウィンドサーチやパーセプションなんかのイメージしやすい具体例や、レーダーマップや金属探知機のような現代機器を知っているのも良かったんだろう。


 まず最初にパーセプションを使った時のように周囲のマップが浮かび、そこにある魔力反応を識別できるようになった。


 そして更にそこから色々とやってみた結果、俺は無事人と魔物、魔道具の反応をそれぞれ区別できるようになった。


 なんにせよこれによって、踏破速度は一気に向上した。

 それによって俺達は少し遠回りをしたにもかかわらず、半月も経たずに無事帝都エルモアグラードへとたどり着くことに成功したのだった――。


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