リフレッシュ
鹿角勝
LV5
HP 160/160
MP 501/658
攻撃 33
防御 53
魔法攻撃力 95
魔法抵抗力 73
俊敏 26
ギフト
『自宅』LV3
スキル
光魔法LV10(MAX)
闇魔法LV5
火魔法LV7
風魔法LV8
水魔法LV9
土魔法LV2
雷魔法LV10(MAX)
氷魔法LV5
時空魔法LV10(MAX)
魔物を倒したことで、LVが上がって5になった。
それにともなってステータスも上がっているのがわかる。
パラメータの上がり方は某乱数を使っているゲームなんかとは違い、非常にわかりやすい。
今後もどうかはわからないが、今のところはLVが上がるごとにHPとMPは10ずつ、攻撃防御俊敏は2ずつ、そして魔法攻撃力と魔法抵抗力は3ずつという感じで規則的に上がっていっている。
この上がり幅が高いのか低いのかは、今度誰かと世間話をする時にでも答え合わせをしておく必要があるだろうな。
「しかし大技のグングニルも含めて何度も魔法を使ったから、MPがかなり減ってるな」
起動までにずいぶんと時間もかかってたし、今度しっかりと魔法の練習をしなくちゃいけないだろう。
いくら威力が高いとはいえ、発動までに十秒って長すぎるし。
瞬間的に出すとまではいかなくとも、せめて五秒くらいにはしたいところだ。
今後は近接戦闘得意な魔物と戦うこともあるだろうから、手数で勝負できるよう出の早い魔法の練習もしなくちゃいけない。
とりあえず最低でも、今の自分が持っている手札の確認くらいはきちんとしておかないといけないかな。
聞き込みをした感じ皆今のところは大事に扱われているみたいだし、彼らのところに行くのは、今持っている力をしっかりと使いこなせるようになってからでも遅くはないはずだ。
何せもし俺が彼らと会ったら、どうなるかまったく予想がつかないし。
もちろん一月も経ってから今更会いに行くのが気まずいっていうのがないかと言われれば嘘になるけど……現状だと王国に皆がどれだけ取り込まれてるかもわかっていない。
もしかしたら勇者は三十人でいいのだ……とか言われて指名手配犯にされたりするかもしれないし、俺の力を国のために使えと自宅の物品を全て放出させられるかもしれない。
そして実際問題、今の俺は一人でもかなりの食料を生産できるだけの力があるのだ。
――『自宅』ギフトはLVが上がるごとに新たな力が手に入る。
LVが2に上がった時に手に入ったのは、完全にランダムである自宅の出現場所を行ったことのある場所の付近に固定することのできるドア設置の能力。
そしてつい昨日LVが3に上がった時に手に入った力は……
「リフレッシュ」
その名をリフレッシュという。
能力の確認のため、俺はMPを消費して念じながら、先ほど飲んだジュースのペットボトルを手に掴んだ。
すると空のペットボトルがピカッと光りだし……光が収まるとそこには、ペットボトルのキャップも開いていない、完全に新品のリンゴジュースが現れる。
――この力はMPを消費することで、俺が使用・消費した自宅内の物品を、以前の状態に戻すことができるというもの。
一度使うごとにMPを消費こそするものの、これを使えば使ったレトルト食品も、食べ散らかした菓子パンのゴミからいくらでも食料を錬成できる。
更に言えば使っている家電が壊れてもMPを使えば元の状態に戻せるし、家が壊れても直すことができる。
使用MPはこのペットボトル一本でも20と少々お高いが……このリフレッシュのおかげで、俺が抱えていた食糧問題は完全になくなった。
おかげで今では、好きなだけ飲み食いもできる。
けどこの力は……間違いなくヤバい。
この世界の常識に疎い俺でも、いくらでも使える現代アイテムや無限に食える食料品がヤバいということくらいはわかる。
クラスメイトにどこまで話をしていいのかもわからない。
というか自分の身の危険を考えるなら、誰にも言わずにひっそりと自分で使い続けた方が快適な異世界ライフを送れると思う。
『自宅』のギフト持ちであることを誰かに打ち明けるべきか、実は結構悩んでいる。
今でもクラスメイトとの合流を目指してはいるけど、やっかまれたり利用されたりするのは勘弁だし。
まぁでも、そのあたりのことを考えるのはおいおいでいいか。
なんにせよ今日は、疲れた……。
「とりあえず……リフレッシュのMPでも確認していくか」
俺は基本的に、寝る前に魔力を使いきるようにしている。
MPの回復は通常時だとおよそ10分に1の割合だが、寝ているとその回復のペースはかなり上がるようになるからだ。
昼寝だとそれほどでもないんだが、しっかりと八時間睡眠をして起きると、どれだけMPを使っていてもしっかりと全回復するのである。
ちなみにMPが0になるとあらがえないほどの強烈な眠気が襲ってくるため、ここ最近の俺の寝付きはすこぶるいい。
俺はとりあえず今まで食べたものを次々とリフレッシュで戻していき、最後に食べたチョコレートクロワッサンを復元させたところでMPを切らし、そのまま死んだように眠りにつくのだった――。