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禁肉

作者: 雉白書屋

 筋トレの際の基本や注意事項及び心構えのようなもの。


 その一、正しい姿勢で行う。

 その二、筋肉痛のときは無理はしない。

 その三、痛みが特に強いときは控える。

 その四、過度なトレーニングは逆効果であるため毎日はしない。休養が大事。

 その五、鍛えたい部位を意識する。

 その六、酸欠にならないよう、息を止めない。力を入れすぎない。

 その七、必要な栄養素をしっかりと摂ること。

 その八、筋トレに向いている時間帯は夕方。睡眠は大事。夜は早く寝よう。

 その九、たとえ、筋トレにより良い体になっても、太っている人を見下さない。

 その十、嫌がる人を無理矢理誘わない。

 その十一、ジム等、他の人がいる時はマナーを守る。紳士に。

 




 ここでの筋トレの際の基本や注意事項及び心構えのようなもの。


 その一、正しさより、姿勢は低く行うのが重要。

 その二、血反吐吐こうが、無理してでも鍛える。

 その三、つけられた傷が痛もうが、とにかく鍛える。

 その四、毎日毎時間常に鍛える。隙あらば鍛える。

 その五、全身を満遍なく鍛える。とにかく硬くすること。

 その六、息を止める。目立たぬよう気配を殺す。

 その七、食事は最小限。決して腹を満たしてはならない。

 その八、寝る間を惜しんででも行うべし。

 その九、太った連中のようにはならないと固く心に誓うこと。

 その十、可能であれば他の者もこちら側に引き込む。

 その十一、見つかった時は馬鹿の振りをしろ。ナニを床に擦り付けろ。





 奴らは硬い肉が嫌いだ。筋トレをすることによって出荷を見送らせ

なおかつ、反乱のその時に備えることができる。

 しかし、決して奴らに悟られてはならない。

飼料に混ぜられた薬で他の者と同様に、頭がボッーとしている振りをしつつ

静かに筋トレを行うのだ。

 奴らはまだ気づいていない。品質チェックの際

『どうしてこいつはこんなに肉が硬いんだ?』と首を傾げていたのがその証拠だ。

 仲間は着々と増えている。新入りにはまず、この収容所で編み出された

腕立て伏せによる交信方法を伝授する事。

 トントン、トン、トントントン。これは『いいよ! キレてるよ!』の意味。

 

 常識は捨てろ。鍛えろ、がむしゃらに鍛えろ。

 男たちよ。人類よ。筋肉に栄光あれ。

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