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がんばれ!

作者:

「対等な立場じゃないと力を振りかざしてくるのは、お父さんもお母さんも同じだよね」


母と姉と私の三人で話している時、姉が言った。


隣の部屋では幼い甥が眠っている。


「今は独立してそれぞれ生活しているから対等だけど、自分に何かあった時に助けを求められる相手じゃない」


私には姉の言うことが痛いほど分かった。


それでも久しぶりに姉と過ごす時間を楽しく過ごしたくて母を庇った。


「お姉ちゃんの言っていることは分かるけど、お母さんの育ち方もそうだから、おばあちゃんから連鎖してるだけだから」


「私はその連鎖を断ち切る。

そのつもりで育ててる」


きっぱりと言った姉はもう、母に愛されたくてもがいていた10年前までの姉ではなかった。


このまま過ごせばきっと、姉は私が行けなかった側の人間になれると思った。


そして、せっかくそちら側に足を踏み入れた姉とは今後も程よい距離を保とうと思った。

自分を愛してほしいと母に対して長年訴え続けていた姉は今、その気持ちを胸に我が子を愛し育てようとしています。


一方、私は自分自身で心身ともに安定した生活を手に入れたいと試行錯誤している最中です。


目指す方向も考え方も違うので、大人になってからは羨ましい時はたまにありますが、妬むことは無くなりました。


ただ、穏やかになった彼女は以前より可愛らしく、きっと幸せな日々を過ごしているのだろうと思いました。


彼女自身が掴み取ったその幸せが、どうかこれからも続きますように。

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