朝
「朝」というお題で友人と見せあったものです。
こういう何気ない日常っていいですよね。
日曜の朝、聞き慣れたケータイのアラーム音が僕の一日を始める。
寝ぼけながら身体を起こし、ケータイのアラームを止める。カーテンの隙間から差す光は半開きの僕の瞳を照らした、眩しいなんて考える事もせず僕は着替える。
クローゼットを開けるとキレイに並んだ服が掛けてある。予定に合わせて服をチョイス、今日の行き先は隣町。今日発売のゲームを買いに行く。
準備が出来たらカバンを持ち部屋を出て洗面所に向かう、ボサボサの髪と寝ぼけた顔を整えに。顔に水をかけ、歯を磨いて、使い古した櫛でテキトーに髪を整えた。
これで支度は完了。
朝食は行く途中にあるコンビニで済ませるか。そんな事を考えながら挨拶しに台所に行くと、母が鼻歌交じりに朝食を作っていた。
「おはよう、ご飯出来てるよ。」
母の言葉と手に持ってるベーコンエッグは僕のさっきの考えを忘れさせた。机につき、母も座ると手を合わせて一礼した。
「いただきます。」
ジャムの塗られたトーストをひと口、ありふれているけど美味いものだ。
朝食を食べ終わると母はすぐに片付けをし始めた。僕は自分の分を下げて母に挨拶する。
「行ってきます。」
それを聞いた母は笑顔で送ってくれた。
「行ってらっしゃい、気をつけてね。」
手を振りがら台所を出て玄関に向かうと、新聞を持って父が部屋から出てきた。
「出かけてくる。」
そう伝えると、父はは仏頂面で答えた。
「そうか。」
僕を避けて父はリビングに入った。父は嫌いじゃないけど、最近あまり喋らないな。
玄関で腰を下ろし、履き慣れた靴に足を入れる。
ドアを開くと強い日差しが僕を差した。目を細めながらポケットからケータイとイヤホンを取り出す。ジャックを刺して、イヤホンを耳につけ、曲を選ぶ。今日も流れるのはいつも聞く曲。
歩き始めると、いつもより騒がしい町並みが目に映る。小学生は公園で遊んで、お父さん達はタバコをふかして、お母さん達は世間話をして。
いつもとはちょっと違う風景。この町は特別好きって訳じゃないけど、悪くない。
いつもと変わらぬ歩幅で僕は駅に向かった。




