聖女-本との出会い
あれから、わたしは魔王の監視をしながら日々を過ごしていたのだが……
どうにも退屈すぎる
建物の探索はもう終え、やることがなくなってしまっていた。
かといって、魔王の部屋に四六時中いるのはなんだか居心地が悪くてずっとはさすがに居れず景色を見たり日向ぼっこをしているのだが
はぁ、と溜め息を吐く
今頃キャロン達はどうしているのかと。
魔王を倒したと喜んでいるに違いない、わたしもここで目覚めるまではそう思ったし。でもきっと……わたしを巻き込んで倒したと悔いているに違いがない
実際、魔王もわたしも無事なのだが、あの状況からはそうは思わないだろう。
キャロン……と悲嘆しようとしてわたしはハッとした
ダメダメ、ポジティブに考えなければ!
こう、やることが無くボーッとしているとついネガティブに考えがちになってしまう。
わたしは何かないかと部屋を見渡しふと本棚を見、目が輝いた。
そこに置いてあったのはズラリと並んだ小説のようなもの
別に本が大好きというわけではなかったが暇潰しには実にいい代物だった。
しかも難しい本ではなく物語の類いで読みやすい。
「本を読みながらなら魔王を監視しながらでも出来るわね」
まさに一石二鳥だった。
わたしはそれを持ち早速魔王の元へと向かった。
あまり目を離すと悪さをするような気がして。
部屋に入りいつも座る椅子に腰掛け先ほどの本を読もうと開けば魔王が口を開いた。
「それは?」
そんな魔王にわたし読む気満々だったがこれもしかして勝手に読んだらダメだった? と焦った。
「部屋にあった小説……もしかして読んだらダメだったかしら?」
「いいや……好きにしろ、貴様好みの本だろう」
わたし好み? と疑問には思ったが、暇潰しの本がダメではなくて良かった。




