epilogue-届かない彼女の思い
最期の瞬間
「クレイ……どうか人を」そう言うと頬に手を伸ばした。
「シャー……ラ」
クレイはわたしの名前を掠れた声で呼ぶ、わたしは愛おしいその人の声にふわり笑みを浮かべながらそのまま言葉の続きを発することなく力尽きてしまった。
それをわたしは後悔していた。
ずっとずっとわたしは戦う彼の姿を見てきた。
わたしが望んだのは……
人を恨んで復讐して欲しかったのではない
むしろその逆でわたしが殺されたからと言って人を恨んで欲しくなかった。
人と共存してほしかったのだ
魔族と人間の共存それこそわたしが望んでいたのに……。
わたしの両親は人間と魔族だ
でも愛し合っていた。
そして間にできたわたしをハーフだからと言って迫害せずわたしのことを深く愛してくれた。
だから私の両親が人間に殺された時もわたしは人間を恨んだりはしなかった。
いつか人間と魔族が一緒に暮らす世を夢見て。
わたしは彼の戦う姿を見て心に強く思う
生まれ変わって彼を止めたい
と。
その願いがまた違う方へと運命を導いていくなど思ってもみなかった。
――――――――
「本当はね、みんなの怪我や病気を治せられるお医者さんになりたいの、でもわたしったらハーフだし治癒の力を持っていても人間の前でこの力を使えないから助けられるのに助けることもできない……それがもどかしいの……」
だからね
いつかいつか人間も魔族も一緒に暮らせて助け合えるそんな日が来るといいな
本当の彼女の想いは彼に伝わることはなかった。
ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました!
機会があれば来世のお話も書いてみたいです
後、魔王系のお話も好きなのでまたかけたらなと思います。




