魔王-思い出される懐かしい日々
この家は昔に彼女が住んでいた家だった。
人間と魔族のハーフだった彼女は人里離れれたこの家に住んでいた。
俺は当時そこまで魔力を待たぬただの魔族だった。
俺は他の魔物等に襲われてこの森をさ迷っていた。
今では虫けら同然の魔物だったが当時の俺にとっては脅威な敵だった。腹部と腕に傷を負った俺は多量出血と空腹と疲れから彼女の家の近くで動けなくなっていた。
そんな時、彼女は俺を見つけハーフとはいえ人間に育てられたのにかかわらずこんな大怪我を負っている魔族の俺を拾い手当てをした。
「何故助けた」と問えば彼女は
「だって放っておけなかったんだもの」と可憐に笑った。
放っておけないといわれたが、それはこちらのセリフだった。
何をするにも不器用でどんくさくて……
それに独り暮らしのくせにこんな見ず知らずの魔族の男を拾うような女あぶなかしっくて彼女を
いつの間にか常に目で追うようになっていた。
傷が癒えても俺はそこから離れることはなくいつの間にか彼女のことを愛するようになっていた。
深く深く
深すぎたその愛は
彼女を亡くした今も俺の心に居座り続ける、何百年とたった今でもそう死ぬ瞬間まで。
彼女をここに連れてきて数日が経過した。
彼女は突如部屋に入ってきたと思えば「あなたが本当に人間を襲わないか監視する必要があると思って」
と、言い出しそれから俺を監視するようになった。
暫くして彼女は本を持って部屋に訪れるようになっていた、その姿に俺は彼女と彼女を重ねた。
彼女もよく本を読んでいた。
懐かしい とあの日々を思い返す。目を閉じ浮かんでくるその情景に俺はこれが夢なのか幻なのかわからなくなる感覚に陥った。
彼女と過ごしたのはずいぶん昔なのに鮮やかにあの日々が蘇る
これが走馬灯というやつなのかもしれないとふとそう思った。
あれは俺が彼女に拾われて間もない頃。彼女は熱と痛みで動けない俺に料理を持ってきた。
「これ、食べて」
そう持ってきた彼女の料理に俺は眉をひそめた。
そして、いらぬと一言そういうと反対側に寝返りを打ち目を閉じた。
「なっ、食べないとよくならないわよっ?」
そういう彼女に俺はなんだこの人間はと鬱陶しく思った。
第一この俺が人間などに助けられるなど、と。
「もうっ、食べないと……こうするんだからねっ!!」
そんな彼女は俺の体を金縛りにさせるとこちらに向かせた。
俺は思わず目を見張った。
今のは……魔術?
そんな俺の問いに答えるかのように彼女は
「わたし、ハーフなの人間と魔族のね」と笑った
「て、いっても使えるのは簡単な治癒魔法のみ、それも少し治癒力を上げる程度であなたくらいの大きなケガだとあまり役に立たないのっ」
そう言った。
「でも、出来ることはわたしもやりたいの、だってあなたを助けたいから! だからっ食べて! 早く元気になって」
そう真剣な目で訴えかけてきた彼女に俺は……負けた。
そしてその時食べたあのシチューを思い出した。
彼女は何をするにもどんくさくて不器用だったけれど
料理だけは上手かった
味も、手際も
彼女の料理をもう一度食べたくなった。




