魔王-空間転移
あれから俺は彼女の悲痛な叫びを聞いた彼らの聖力をすんでのところで空間転移をし交わした。
空間転移する魔力などとっくに尽きていた
が、あそこで自分だけでなく彼女まで死なすわけにはいかなかった。
から、俺は今体内にある力を全て魔力に転化させ術を成功させた。
その体内にある力とは
それは生命力だった。
ふと目を覚ませばそこは
魔王城の他に住む第二の俺の家だった。
あの時はどこに飛ぶとは考えていなかった、が無意識にこの場所を選定していたのであろう。
最も自分の死に場所にふさわしいなと自嘲気味に笑った。
そう起き上がり俺はソファーに腰掛ける。
魔力を使い果たし生命力を使い、肩から徐々に体は聖なる力で蝕まれている。
ソファーに腰掛けるのがやっとだった。もう指すら動かすのが億劫だ、否弓矢の当たった左肩はもう感覚がなく左手は鉛のように重かった。
とてつもない疲労感と眠気で瞼が閉じていきそうになる、が
俺はそれに耐え彼女が起きるのを待った。
眠らないように無意識に足を揺らしていたらしい
その振動でかはわからないが思ったより早く彼女は目が覚めた
「あなた、死んで」
そう驚いたように口にした彼女に
「空間転移して交わした」と無表情で答えた。
まあ、死ぬのは時間の問題だがな
と内心嗤う。
そんな俺に彼女はキッと睨みつけた。
その表情は彼女そっくりだった
思わず無表情を意識していたが笑みが零れてしまった。
顔を引き締め俺は
「貴様は少しの間ここで捕虜となれ、逃げることは許さない。もし逃げようとしたならば……そうだな、ここから一番近い国を焼き野原にしてしまおうか」ククッと笑いながらそう言い放った。
実際そんな魔力さえ残っていないが……。
そんな俺に彼女は「捕虜……?」と眉を寄せる
「あぁ……そうだ、逆にいれば貴様が逃げずここにいれば誰も殺さないと約束しよう」
そんな力はないし第一お前がいるなら、お前がそう望むならば俺はお前の思うまま動く
元もと人間を襲っていたのだってお前の復讐の為だったのだから。
が、当の本人が要因となっていることなど露知らない彼女は俺の言葉を全く信じている様子はなく
「あなたを信じたわけではないけど……わかったわ、ここにいると約束します」
そう言い約束はしたものの鵜呑みにはしなかった。




