宝くじ当選
生き甲斐とは何か、一生懸命働くこと、大切な人を守ること、自由を貫くこと、人によって違ってくるだろう。
俺、真柴 福は半年ほど前にネットで高額当選を狙うという動画を見て影響され、ロト宝くじを一枚だけなんとなく買った。なんと見事高額当選。その額六億円……頭がまっしろで当時は怖くて学校にも行けず、卒業間近で大学も決まっていたのに卒業式は欠席、大学もいきなり休学した。そこから1ヶ月が経ち、自室で考えた結果とりあえずは宝くじを換金し育ててくれた親に半分渡し、残りは自分の人生の自由な暮らしに使うということ。両親にそのことを告げると始めは冗談だと思っていたが実物の宝くじを見せると顔がまっしろになった。そこから父親が働かなくなった。だらけた訳ではなく寝込んだのだ。そりゃ、父親は普通のサラリーマンでいきなり子供が自分の生涯年収の二倍以上のお金持ちを持ったら倒れるかもしれない。当選から2月がたった頃、やっと当選金を受けとることになった。贈与税のこともあるので親との共同購入ということにして、始めから親と自分の口座に分けて入れてもらうことにした。これで税金がかからなくなるのだ。
そして受け取った翌日にある出来事が……引っ越してからずっと仲良くしてくれていたお隣さんに母親がむすこが六億の宝くじが当選したと言ってしまったのだ。俺自体はお隣さんとは挨拶程度だったが、元々天然の人かなっていうほどのんびりした人という印象だった。なので実際「よかったね。これで遊んで暮らせるよ。(* ´ ▽ ` *)」とネットで見るようなクレクレとはならなかった。しかし、いい忘れたが自分の両親も天然なのだ。まぁ、お隣に言ってしまう時点で気づくとは思うが、そこで問題が発生した。お隣の奥さんがこのようなことを言ってきた。「中学入ってから娘が学校に行かないのよ。友達がいるのも見たことなあし、あの娘の将来が心配だわ。福くんみたいにお金があれば心配ないのに。」とそして母はとんでもないことを言った。「なら福に養ってもらえばいいんじゃない?」そして俺が知らない所で話が進んで、当選してから3ヶ月目に一人の女の子が母親に連れられて家に来た。「こ、こんにちは、佐倉 絵音14歳です。ふ、ふつつつか者ですが宜しくお、お願い致します。」そこにはおとなしそうな、銀色に先が青がかった長い髪、身長は140センチぐらいのパーカー短パンの女の子がいた。
そこから同居生活の始まりだ。俺も男だ。不細工だったりタイプじゃなければ「誰が好きでもない女養うか!」って言ってやろうと思ったが、むちゃくちゃ可愛いのだ。ロリコンではないが、可憐という言葉が似合い、実際抱き締めなくなるような華奢な体、メロメロだった。
そして当選して4ヶ月、絵音が来てから1ヶ月経った。絵音は元々空室だった2階の角の部屋を使い。基本的に出てこない、始めは馴れてないから仕方ないと思っていたが、流石にどうかと思っていた頃、両親とお隣さんが唐突に「福、私たちは違う土地に住もうと思うの。福がくれた大金もあるし、もう働かなくてもいいから静かな場所でゆっくり老後を過ごすわ。」と俺の両親が言い、絵音の両親は「転勤が決まったからちょっと離れて暮らすことになるわ。絵音のことお願いね。」と……。
もちろん俺はツッコミまくった「いや、俺らも一緒に行けばいいだろ!なぜにおいていく!てかまだ老後じゃないだろ!」
「あらあら、寂しいの?だって荷物全部持っていくのは大変だし、この家を売るのも勿体無いでしょ?荷物番と自宅警備お願いね」だと
絵音の両親にも「娘が心配じゃないんですか!?男と二人きりになってしまうのですよ!」と言ったら「一緒に連れていったら、福くんと離れてしまうじゃない。福くんに他の女の子が出来たら逆に絵音が可哀想と思ってね。もちろん、絵音にも伝え済みよ。(* ´ ▽ ` *)b」
俺は、宝くじに当たった時ぐらいにまっしろになった。
そして現在、真柴 福(18)と佐倉 絵音(14)の二人ぐらしが始まった。