ミーティング
「それで早速任務を与えたい所だが、それには準備必要だから
まずは待機して貰おう」
「正式な任務って言うのは?」
「・・・"セフィロト"のメンバーの処理、及び拉致された羅刹の
救出。だが、現在セフィロトのアジトを探さなくてはいけないからさ」
「・・・・・・私もやっと父さんを助けられるのね」
雨音はミーティングが終了するとすぐに母親に連絡していた。
昨日からずっと負担を掛けっぱなしでいたたまれないという
気持ちがあったからだ。
一方、母親はこの状況の割には落ち着いて、かつ能天気でいた。
私が何かに騙されているとか、そう言う訳では無い事を確信しているから
だろうか。
「うんうん、話は所長さんから聞いているから、今日は
お友達と一緒にご飯を食べましょうか」
母親が嬉々としながら言った。
「聞いてみるけれど、二人もきっと忙しいから来れるか分からないわよ」
「はーい」
その声を聞いて雨音は少し緊張がほぐれた気がした。
兎に角、ちょっと二人を誘ってみようかと思い立つ。
「ねぇ、荻君、響さん、今日暇なら私の家でご飯食べないかしら?」
「ええっ!是非!私一人暮らしだから助かります!」
「そうだったの・・・大変だったわね」
「辛気臭い話なんですけれど、小さい頃に両親が死んじゃったから
なんですよね。・・・・・・まぁ、今は雨音さんがいるから幸せですけど!」
響が顔を赤らめ、えへへ、と呟く。
「変な誤解を招く言い方よそれ。ところで、荻君は?」
「俺も行って良いのか?」
晴斗が聞くと響は参加を頑なに拒否する。
「はい駄目ー!男子禁制ですっ!」
「んだとぉ!?」
「落ち着いて頂戴。全く、駄目とは言わないわよ」
雨音は二人を仲介し、落ちつかせると、晴斗も参加する。
「そうか・・・それなら、お邪魔するかな。俺も一人暮らしだし」
「二人とも一人暮らしなのね」
「はい、研究員の寮が外神田にあって、私は先述の
理由ですけど、こっちの田舎眼鏡は実家が長岡なんですよ」
「新潟県、確かに田舎ね」
「田舎言うな!あそこら辺ももう都会だ!」
晴斗が反論し、雨音も謝る。
「面白そうだねお食事会。私が送っていくよ」
鬼原が車の鍵を取り出した。
「鬼原さんもどうかしら」
「私は良いよ、これからセフィロトのアジトを探さなきゃだし」
「残念ね。まぁ、送迎お願いするわ」
「佐伯君の為なら!」
雨音はこうやって仲間と共にご飯を食べるなんて初めてだった。
まだ出会ったばかりだが、そんな仲間が出来て、正直とても嬉しく感じている。
境遇故か中々友達の出来なかった雨音が感じる、初めての友情の形。
彼女は心の中で考える。
守っていけるだろうか、この関係をーーー。




