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因果律のレイン  作者: テンペスティア
A.C.L (因果律の復讐)
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レインボウ

 外部では虹色の雨が降りしきる中、雨音はその因果律を発動させた。


 「・・・・・・極彩色の雨弓(レインボウ)!!!」


 そう叫ぶと雨音はその光の矢を放つ。

 光の矢はアリスの腹部を貫き、空を覆う雲を斬り裂く。

 すると、今までの雨は晴れ、空には大きな虹が架かる。


 「これが、新たな因果律!?」


 錫がその場に立ち尽くす三人を見て、亜然とする。


 「やっと外に出られるわね・・・って、何よあのロボット!?」


 雨音がデウスエクスマキナを指差し驚愕する。隣のアナザーと朝江も同様の反応を示す。


 「話は後です。今はアリスが腹部から自壊を始めていますので、早くそこから

  退避して下さい!」


 朱鷺人がそう言い、デウスの手をアリスの腹部からぽっかり空いた穴から伸ばす。

 内部にいた雨音らはその手に乗り、地上に降りる。


 「あ、あああああ、何故世界は破壊されない。破壊の一途を辿るのが世の定理である、

  筈・・・・・・?」


 アリスが京都タワーごと消滅し始めながら言う。


 「呆気無いなバグよ。確かに、世界はいずれ滅ぶ。だが、それは今この時では無い。

  人が、世界が抗う間は絶対に世界は滅びない。ましてや大天上神である僕さえ

  否定するんだ。貴様に勝機などこの世界においては存在しないのさ」


 朱鷺人がアリスに答える。だが、アリスはそれを認めない。


 「間違っている・・・。何故人間如きが我々神格に背く。抗う。何故それを

  良しとするのか。分からない。何も」


 アリスは朽ち行く腕で頭を抱え困惑する。そんな彼女に雨音は諭す。


 「人間は抗いを許されたのでは無いわ。”抗う生き物”なのよ。時に泣き、時に笑う。

  時に誰かを憎んで時に誰かを愛する。人間は神にも正せない過ちを修正する事が

  出来るのよ。それは、心があるから。心があるからこそ、人の力は未知数で、

  こうやって間違った運命を修正出来る。貴方だってそれに気付いている筈よ」


 「そんな、訳が・・・・・・」


 アリスが唸る。


 「有るかーーーーーーーーっ!!」


 強烈な怒号と共にアリスが雄叫びを上げる。が、その抵抗も虚しくその体は崩れ去る。


 「ああ、ああああ。・・・そうか、私か・・・私の中の私・・・

  私が少女の姿でいたのも、きっと、心を、人を知る為。そう。私は・・・・・・

  私自身を修正出来る・・・。何故なら、もう、そこに・・・・・・」


 アリスがその体の中から最初に出現した少女の姿をしたアリスが現れた。


 「心があるから。ありがとう、世界を直す為の私を直してくれた、

  人々。私はもう知っている。その、心を・・・・・・」


 少女の姿のアリスはそう言うと、気を失い倒れてしまった。そしてそれと同時に

 京都タワーと融合したまま巨大アリスが消滅する。


 この一連の光景に一同は暫く硬直するが、雨音がアリスを抱きかかえて言った。


 「・・・・・・この子も、改心してしまったわね。そして、この子はただの女の子だわ」


 雨音の言葉に朝江は何故そう言い切れるのか問うと、雨音ははにかんで言った。


 「だって、この子は幸せそうに笑っているから」


 雨音がそう言っていると、上空から聞き覚えのする声がした。


 「おーい!」


 皆を呼ぶ声の主は遥と晴斗だった。


 「今さっき俺達天国にいたんだけどよー、転生係の神様が現世に還してくれたんだよ。

  クリエイトの力を失うのと引き換えになー」


 遥が事を説明する。


 「にしても天津先輩のそのロボットおっきいっすねー」


 遥がデウスを見上げ言うと、朱鷺人がはは、と笑う。


 「さてと、僕も神としての仕事がたくさんだ。さようなら、因果に集いし勇者の皆さん。

  その栄光として因果律の力はこの世界に留めます。ただ、悪用せし者がいれば

  即刻退治して下さいね!」


 朱鷺人がそう言い残すと、一瞬で天へ消えて行った。


 「何か・・・・・・凄くあっさりした最後でしたけれど、とてもスッキリしました。

  とにかくこれで雨音さんの誕生日が祝えますね」


 響の言葉に雨音の誕生日を知らなかった人々がそうなの!?と叫ぶ。

 それに雨音が少し照れながら頷く。


 「それじゃあ皆で祝いましょう、雨音さんを!!」


 響の声に続き、皆がオー、と続ける。

 それにしても、彼らは誰かを忘れている気がする。




 「私の出番は無く、か・・・・・・まぁ、私に出来るのはA.C.Lを作ったり改造したり

  とかしか出来ないからね。あ、それとたこ焼きパーティーを主催する位は出来るね。

  安心しろ読者諸君!」


 密かに活躍していた鬼原も雨音の誕生日に備えて店を回る。


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 これにて雨音達羅刹の世界の存亡を賭けた戦いは幕を閉じる。

 彼女らがこの戦いで得た絆こそが、”因果律”である。

 人々を繋ぐ力。神さえ凌駕する可能性。

 誰しも持っている心。

 心の(レイン)が晴れる頃、貴方には成長の因果(レインボウ)が約束されるだろう・・・・・・。

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