破滅
「!?」
時間は京都タワーが破壊された直後に遡る。
その轟音を聞いた四楼はすぐさま京都タワーに向かう。
雨音の母親は彼を止める事が出来ず苦心するが内心それで良かったのでは、
と感じる。
とてもそっくりな父娘。雨音の母親は恐らく京都タワーへ向かっているであろう
雨音の身を案じる。
一方、鈴は寧々と共に名無家にてその一部始終を目撃した。
そして、その破壊された展望台から寧々が見たのは、晴斗らと、
彼らが対峙している強大な力を纏った少女だった。
「何だ・・・あいつは!?・・・我々が力になるかは兎も角行ってみるぞ
曇天!」
寧々の言葉に鈴は頷く。
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彼女らが京都タワーの真下に到着するとそこには鈴がいた。
「貴様・・・山本錫!!」
その姿に寧々は警戒する。しかし錫は彼女が遭遇した過去の敵では無い。
錫は信じてくれるか分からなかったが一応自らに起こった事を簡潔に説明した。
「貴様・・・そんな言葉で我らが信じるとでも言うのか・・・?」
彼の話を聞いてもなお、いややはりと言うべきか寧々は信用しない。
しかし、彼の実の妹である鈴は兄の言葉を信じた。
「いいえ、錫は本当の事を言っている様です。根拠はありませんがその様な気がします」
鈴は兄の目をじっと見る。
「・・・・・・やっぱり。あなたは兄さんです」
笑顔でそう言う鈴に錫は涙を溢した。
「信じてくれてありがとう、鈴。それはそうと、僕は京都タワーへ戻らなくては
いけない。君達は危険だ。ここにいてくれ」
錫が早口にそう言うと、京都タワーへと向かう。
すると、彼の目の前に四楼が現れた。
「よう錫。話は聞かせて貰ったぜ。私が某かの力になれるか
分からないが取り敢えず”あそこ”へ連れて行ってくれないか」
四楼が京都タワーの展望台を指差しながら言う。それに対して錫は承諾する。
そして二人は京都タワーの入り口へ走って行った。
「・・・まだ我にはお前の兄、錫の言っている言葉が鵜呑みに出来ない。」
寧々は申し訳無さそうに言う。その言葉に鈴は笑顔で答えた。
「そう言われても仕方ありません。ただ、彼の目は私達が見知った・・・
兄さんでした」
その答えに寧々はそうか、とだけ言うと京都タワーへ向かう。
「どこの馬の骨か知らんが我々の京都を脅かす怪は倒す。”彼ら”と共にな」
寧々はそう言いながらも錫の方を向き、笑う。
その姿に鈴は高揚する。
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その頃、事態を察した内閣府はこの状況への対処をしてきたつもりではあったが、
へルマンが送ってきたアリスに関する資料に目を遠しつつも京都に当のアリスが現れた事は
予想外だった。
「くそっ、何だこれは・・・先程篠原はA.C.L部隊を送ったが・・・・・・
どうにも胸騒ぎがする・・・」
内閣総理大臣、安藤はハンカチで額から滴り落ちる汗を拭く。
「・・・人類の明日はどっちだ?」
安藤が総理官邸の屋上にて京都の方向を見る。
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その頃、雨音らは未だアリスと対峙していた。
そして事態が動いたのはその直後だった。
朝江は残ったAレインによる攻撃によってアリスの心臓を貫いた。
「ちょこまかとぉ!これで!チェストぉぉぉぉぉぉ!!」
朝江の叫びと共にアリスを串刺しにする。
「攻撃をかわすだけで呆気無かったな・・・」
朝江が息を切らしながら言うがそれに雨音は違和感を感じた。
「あまりにも簡単過ぎる・・・!?」
雨音が突如再起したアリスを注視する。
すると、アリスは途端巨大化し、京都タワーごと雨音らを体内に包み込んだ。
周りの建物はその勢いで倒壊し、その残骸が宙を舞う。
「これがアリスの真の力・・・・・・!?」
錫が傍観していると空中から建物の残骸が錫の上空から飛来する。
「うわあああああ!!」




