ケルベロス
「よし、準備完了しました!」
響が社長に進言する。
「むむ。今説明を聞いたがこの荻君のお父様もクリエイトを使えるそうだな。
だったら彼の力で移動した方が早いのでは無いかと悩んでいたのだが」
社長は首を傾げそう言った。彼の言う通り、遥のクリエイトで移動した方が早いと
判断した三人はクリエイトで京都へ向かった。
「ちゃんとA.C.Lの発進システム作ったんだけどな」
「また安藤総理に税金食らいと揶揄されますね」
社長の言葉に秘書は辛辣な言葉を残す。
-----------------------------------------------------------------
「リヴァース!」
京都タワーの展望台にて、晴斗、錫が戦闘を続けている。錫が自らの因果律の名を
詠唱すると、瓦礫の中から様々な傀儡が現れた。
「何だ?人は誰もいない筈だが・・・」
晴斗がその力に驚愕する。が、錫はこれをまたもや進化した力と称する。
「僕のリヴァースは僕が死ぬ毎にその力を増す。それによって・・・。
己が傀儡を無から生み出す事が可能となった」
錫が手を振りかざし、その傀儡をアリスへ突撃させる。
「邪魔よ・・・あっち行って」
しかし、アリスにその猛攻は効かず、傀儡共はいとも容易く吹き飛ばされてしまう。
されども傀儡はさらに生み出されていく。
「時間稼ぎにはうってつけか、な」
錫が次々と傀儡を生み出す。彼は通常の羅刹と異なり、ナノクオーツの供給量に
際限が無い。その為傀儡の製造も無限に行える。
さらに幸運な事にアリス事態にはそれ程までの強力な力等も備わっていない。
元々が世界の節制を保つと言う用途だと言う事もある。
「こいつは恐らく誤作動している事によって弱体化しているのだろうな」
晴斗がクリエイトで傀儡を強化させつつ言う。
「チューリヒに貯蔵されていたアリスの書に記されていた能力の殆どが死んでいると
言っても過言では無いかな」
錫がさらに傀儡を生み出し、こちらへの攻撃を防御させる。
「しかし・・・何故だろうか。アリスは寧ろ、笑っている?」
晴斗が見たアリスの表情。それは、先程と打って変わって余裕を見せていた。
すると、突如アリスはリヴァースによって生み出された傀儡を吸収した。
「・・・・・・リヴァース」
アリスがそう呟くと、虚無から次々と傀儡が生み出され、それらが融合し、巨人となる。
「何だこれは・・・僕の因果律をコピーして・・・改竄した!?」
錫が新たに生み出した傀儡で迎え撃つが、容易く薙ぎ払われてしまった。
晴斗がクリエイトを使用したものの、この巨人は直接的な因果律による物である為か、
全く通用しない。
「こいつ・・・。完全に因果律に覚醒したのか・・・・・・」
晴斗が歯を食い縛りつつ言う。
さらに追い打ちを掛ける様に錫が自らの現状を吐露する。
「ごめん晴斗君・・・僕のリヴァースで羅刹が呼べないんだ」
何でだよ!?と晴斗が嘆く。しかしその答えは簡単だ。
「そりゃあ羅刹がここに存在しないと・・・」
彼らがそう言い合っている内にも、アリスが生み出した巨人はこちらへ拳を振る。
巨人による一撃ーーーそれは惜しくも不発と相成った。
「あれは・・・剣?」
晴斗が見たそれは剣に番犬の意匠を取り込んだ様な三つの子機。
それらが途端に巨人の腕を裂く。
「これこそが・・・三位一体、三頭組成刀剣斬!!」
この土壇場にやっと彼女らが到着する。
人類の英知が、この世に終焉をもたらす敵と相対する・・・・・・。




