失敗の因果律、成功の雨
「よし、そろそろ着くか。まずは京都の神下町って所を目指すぞ!!」
死後の世界から現世へと移動する空間にて、晴斗が指示する。
”ここ”がどの様な空間で、何故死後の世界と現世を繋げるのか、
謎が溢れる場所だが今はそんな事を気にしている暇は無い。
過去に遥もこの場所を通っている為か特に驚く様子も無く、
チューブ状に形成された言わば”道を”飛んでいくのみである。
「もうすぐ到着かな・・・・・・!?」
遥の眼前には彼らが向かう方向を塞ぐようにして、
華奢な少女が立っていた。
「何故あんな所に女の子がーーーまさか、な」
遥が不謹慎な苦笑いを浮かべる。
この空間に存在できる理由、少女。
彼女から見て取れる情報を掻き集めた結果、導き出される答えは・・・。
「アリスだ!!」
晴斗が叫ぶと同時にアリスが両手を前方へ掲げる。
彼女の動きを察知して彼らも身構え、同時に叫ぶ。
「クリエイト!」
しかし、両者のクリエイトが”もみ消された”。
「効かない!?さすが”元”神様だわ」
遥の言葉の通り、元と言ってもアリスの力は神格そのものである。
その彼女にとってはクリエイトを無効にするのも容易いのだろう。
そう言っている間にも彼女は”力”を繰り出す。
それは”波動”。その波によって晴斗、遥が吹き飛ばされ、
目的とは全く異なる時間へ飛ばされていった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
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二人が目を開けると、そこは鬼門山の井戸の近くだった。
「何とか辿り着いた様だな・・・・・・」
晴斗がそう言いながら不意に街を見ると、そこには以前の面影は無く、
逆巻く炎の中で人々が殺し合いを繰り返す神下町の姿があった。
「これは・・・」
「そう。これこそが因果律の雨。僕達が見たかった世界さ」
二人が亜然としている中、背後から不敵な笑いを浮かべ現れたのは
山本錫だった。
「お前は・・・山本錫なのか!?」
「ああ、この姿では初対面かな。これからお見知り置きを」
「これが因果律の雨?成功しちまったって事か?」
「んん?貴殿は晴斗君の双子のご兄弟かしら?」
遥を見つけ、山本錫が問う。しかし、彼の質問に遥は答えはしない。
「どうだって良い。まずはこの状況を説明して貰おうか」
遥が山本錫に聞き返す。それに対して彼は了承の意味のサムズアップを
する。
「オーケー、今君達はアリスの力で未来へ来ている。この絶望のビジョンを
を見せつける為にね。この計画のプロセスも教えちゃおっかなー。
と言う訳で話はちょっと前に遡るよ!」




